ボストンマラソンを主催する「ボストン運動競技協会は(BAA)」は9月12日、新たに既存の性別の枠組みにとらわれない「ノンバイナリー」部門を設けると発表した。
ノンバイナリーのランナーたちは、2023年大会から、女性部門もしくは男性部門ではなく、ノンバイナリー部門でエントリーできる。
BAAは「我々は、ノンバイナリーアスリートの機会拡大に取り組んでいる」と説明。今後、主催する他の大会でもノンバイナリー選手の参加環境を整えていくという。
最初の年は学びと成長の機会
アメリカ・マサチューセッツ州で開かれるボストンマラソンは、世界で最も有名な大会の一つだ。
127回目となる2023年大会は、4月17日開催予定で約3万人の参加者を見込んでいる。
ボストンマラソンでは、年代と性別ごとに基準タイムが応募条件になっている。
例えば、最年少の18〜34歳枠では、男性部門は2021年9月以降に3時間、女性部門は3時間30分以内にそれぞれフルマラソンを完走している必要がある。この基準タイムは、年齢が上がるごとに長くなる。
一方、ノンバイナリー部門は初の実施で基準タイムを決める十分なデータがまだないため、2023年大会では女性部門と同じ基準タイムが採用される。
BAAは「ノンバイナリー部門の参加基準は、今後アップデートされる予定です。私たちは最初の年を、学びと成長の機会と捉えています」と説明している。
スポーツ界で広がる、ノンバイナリーアスリートを受け入れる動き
ノンバイナリーで、LGBTQ+のランニングクラブ「フロント・ランナー・ニューヨーク」理事のJ・ゼレさんにとって、ボストンマラソンは憧れのレースだったという。
「バケツリスト(死ぬまでにやりたいこと)のレースに出場に必要な条件がわかってワクワクしています。また、私たちノンバイナリーランナーのコミュニティーが、ボストン運動競技協会に認められてとても嬉しい」とThe 19thに述べている。
ボストンマラソンのように、スポーツ大会でノンバイナリー選手の出場環境を整える動きが進んでいる。
ペンシルベニア州のロードレース「フィラデルフィア・ディスタンス・ラン」は2021年、アメリカの大規模大会として初めてノンバイナリー部門を新設し、賞金も他部門と同等にした。
また、2022年4月に開催されたブルックリンマラソンとハーフマラソンでは、ノンバイナリー部門で登録した82人が完走した。
こういった動きは、スポーツをよりインクルーシブなものにしようと活動する、ノンバイナリー当事者たちの貢献が大きい。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ボストンマラソンにノンバイナリー部門が新設される。「我々は、機会拡大に取り組みます」