「私は本当の姿を人に知られたくないと、いつも怯えていました。実はある時期、自殺も考えたほどです。受け入れてもらえないんじゃないかと、常に不安を抱えていたからです」
日本コカ・コーラの人事本部長、パトリック・ジョーダンさんは、7月20日、自社の発表会で自らの過去について赤裸々に明かした。
ゲイであるということを自分自身でも長らく認められず、友人や家族、そして職場では「決して話せない」と考えていたというジョーダンさん。一方で、2年前にはパートナーとオーストラリアで結婚式も挙げ、現在は幸せな生活を送っているという。
「私は幸運でした。愛とサポートをたくさん得ることができたからです」
「なぜこの話をしたか、それは、この問題の重要性を知ってほしいからです。調査では、日本には性的マイノリティの人々が8〜10%いる。つまり、1200万人が私のようなストーリーを経験しているということ。そして、彼らは私たちのお客様でもあり、日本という国の価値観に貢献している方々なのです」
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日本コカ・コーラと、全国で製造・販売などを担うボトリング5社は、LGBTQなどの人々への偏見・差別をなくす職場環境づくりのため、「LGBTQ+アライのためのハンドブック」を制作したと発表した。
同社は2020年には同性婚の法制化を求める企業キャンペーン、2021年にLGBT平等法の制定を目指すキャンペーンに賛同するなど、対外的な発信も含めて積極的に取り組んでいる。
今回のハンドブックは「プライドハウス東京」の監修を受けて制作された。LGBTQ当事者の人々が歩んできた歴史や基礎知識のほか、アライとしてできることなどの解説が収録されている。およそ2万人の従業員に配布され、研修などで使われる予定だという。
さらに、日本コカ・コーラのウェブサイトでアンケートに回答すれば、誰でも無償で利用できるほか、プライドハウスを通じて、他の企業での活用も呼びかけていくという。
発表会では早速、パナソニックグループが導入を表明。自社の取り組みを紹介したパナソニックホールディングスDEI推進担当執行役員の三島茂樹さんは「誰もが自分らしくあれる社会の実現に向けて連携していきたい」と話した。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「本当の姿を知られたくない。いつも怯えていました」。LGBTQハンドブックに、人事本部長が込めた思い