amazon倉庫バイト始めたら、周りがショボすぎて俺がヒーロー扱いされた話するｗｗｗｗ

4年前の英雄譚だがな

無職だった俺は派遣会社に登録しamazonピッキングを紹介された
同日に採用されたのは10人くらい
初日は午前の3時間で仕事内容やタイムカードの押し方、更新の仕方などの説明や座学的なものをして終わり
いよいよ午後から仕事が始まった

早口で言ってそう

内容はかんたん
巨大倉庫の中を大きなショッピングカートとバーコードスキャナを持ち
スキャナに表示された棚に向かい番号通りの商品をかごに入れるだけ
規定の個数溜まったらまとめてオリコンに入れてコンベアに流して次の商品を拾い始める
それの繰り返しだ
俺としては仕事内容より機会を使ったタイムカードの更新のホツが難しかったくらい単純な作業だった

ピッキングってなんや？
鍵開けるんか？

今日は午後いっぱい使って慣れてください
という社員の声のもと
我々はワクワクソワソワしながら作業を開始する
だがやはり激務と言われるamazon倉庫、そうかんたんではなかった
問題は何より時間制限
手にしたスキャナに表示された棚へ向かい指定商品を回収するのにカウントダウンがあるのだ
スキャナに「あと何秒以内に回収しなさい」という旨のカウントダウンが常にされており
それに遅れるとピーピー鳴り出して焦らせる
もちろん配置された棚の遠さや位置によって制限時間は変わるのだが
だからこそ「そういうの含めて設定されてるから、遅れるなよ」というプレッシャーがかかるのだ

他の連中は一生懸命やってないだけだぞ

そしてショッピングカート
スーパーで使うようなファミリーさいずではなく、当然ピッキング用のかなり大きな物だ
176cmある俺でも大きく扱いにくく
その上商品がどんどん積まれていくに連れ重くなり操作がさらに難しくなる
そしてこれこそ俺が英雄扱いされた原因だ。

巨大ショッピングカートは身長176の男だろうが150前後のオバサンだろうが皆一律同じサイズを使う
当然体格や筋力に劣る人間は体力が削られるのが早くなり
商品回収が遅れノルマ達成出来なくなる
※ノルマはその日作業開始する前の準備体操後、ホワイトボードに記される(1人○ケース)みたいに

つまり力こそパワー

おばさんはカートを操りきれず
フラフラして汗ダクダクで明らかに無理だった
というか女はほとんど無理
男でもヒョロや文化部帰宅部みたいな奴はまぁ無理
俺は提示されたノルマを2日目からギリギリとはいえ常に達成できていたが
女性陣はほぼノルマ半分より少し多くこなせる程度で
毎回作業後に社員からのお説教というか小言が待っていた
まぁ社員の気持ちもわかるが、あれは無理

一方俺は常にノルマ達成しているので「○○さんは本当にありがたい」とやたら褒められた
最低限をこなすだけでここまで褒められる俺は全能感すごくて
気分は(え？普通だよな？)のなろう主人公だった

だが栄光はそう長く続かなかった
どんどん辞めていく女性陣や文化部男子
残ったのは他班ふくめ俺のような運動経験ありますな男ばかり
要するに各班で褒められチヤホヤされてきたモテ男子だ
そして残った派遣を合体させて新たな班を作る
精鋭班だ。
そうなると必然的にレベル高めの人間同士でまたランク付けされる
常にその日の順位一位で一番上に名前の書かれていた俺も中盤に書かれる日が増える
プライドが著しく傷ついた

俺をチヤホヤしてた俺の班長だった社員も俺の名を呼ぶことがなくなり、精鋭班のトップランカーをチヤホヤする
俺は彼にもう一度褒められたい！チヤホヤされたい！
その一心で遮二無二頑張った！
夏場の倉庫なのに水分補給をホント最低限にとどめ、隣の棚に移るため通路を通るときフォークリフトに存在を知らせるために一時停止して鳴らさなくてはいけないベルを鳴らすこともやめ
とにかく急いだ
絶対に振り向かせてやる！

あーこれはいかんわ

そしてそれは起こった
そう、案の定真夏の倉庫で水分不足のダッシュ操作により足がもつれ
ベル操作を怠った結果
カートとフォークリフトが衝突したのだ
ビービービー！！響き渡るサイレン
倒れる俺
すぐさま自分の失態に気づいた俺だが
めっちゃ怒られるのわかってたので
もうこのまま倒れたふりして熱中症ぶろうと即座に決めた
自分の単純なミスでなく、倉庫側の健康管理が行き届かないが故の被害者スタンスを選択したのだ

その為に派遣会社で毎月何百人って雇うんやで

駆け寄る社員、飛び降りるフォークリフト運転手
意識はっきりしてるけど朦朧としてるふりをする俺
「え…？なにが…？あれ…？」
我ながら朦朧演技はうまくできたと思う
社員に抱えられ救護室へ運ばれた俺は
数分後に意識がはっきりしてきたふりをし
「ご迷惑おかけしました…仕事に戻りま…うっ！」と頑張ろうとするが身体がもう無理な芝居までした

今日はもう無理せず休みなさい
という待ち望んだ言葉を受け3時間救護室でぼーっとしていた
帰りのバスに乗り駅についてもフラフラな振りを続ける徹底ぶり
地元の駅について駐輪場についてからようやく芝居をやめ、コージーコーナーでケーキを買って颯爽と帰る

帰宅後の俺がしたことは派遣会社への連絡とamazonリタイアの電話だ

必死に頑張った結果倒れた勇猛な戦士
そういう印象を残して去りたかったのだ

終わり

おもしろかった。ぼくにはできないとおもった

無能じゃん

駄目じゃん

これが【本物】だぞ？

ワロタ