中国の王毅(おう・き)外相は全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見を開き、日中関係について「3つの忠告」を持ち出して日本を牽制した。
王毅外相は記者会見で、共同通信の記者から日中関係について質問を受けると、2022年が国交正常化から50年の節目にあたることに言及したうえで、「日中関係は依然として分岐と挑戦に直面している」との認識を示した。
そのうえで日本に対し「3つの忠告」と銘打ち、▽両国関係の方向について初心を忘れないこと▽台湾問題や歴史問題で両国関係に大きな衝撃を与えないこと、そして▽時代の潮流に沿って行動することなどを求めた。
3つ目の忠告では「世界の多極化や国際関係の民主化が、一国主義や覇権主義に取って代わるのは時代の必然だ。冷戦同盟や地政学的な対立では支持を得られない。火中の栗を拾うのはやめるべきだ」ともしていて、米中対立が激化するなかで、日米同盟の強化を牽制したとみられる。
王毅外相はかつて駐日大使を務めた。会見では「日本国内には、中国の急速な発展を見たくなく、両国関係の安定を望まない人が一部いる」とも皮肉った。
王毅外相は対外的に強気な発言を繰り返している。2020年11月に来日した時は、茂木敏充外務大臣(当時)との共同会見で、茂木氏が発言機会を終えた後に、一方的に尖閣諸島(沖縄県)の領有権を主張する発言をした。この発言には茂木氏や沖縄県石垣市議会などが抗議した。
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中国・王毅外相が日本に対して「3つの忠告」。「火中の栗を拾いに行くな」と日米同盟も牽制