NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』が話題の、清原果耶の最新映画『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』が6月25日に公開された。
罠にはめられ、すべてを失った科学者(山﨑賢人)が大切な人を救うために奔走する物語。タイトルの「夏への扉」は、困難を乗り越えた先にある希望の象徴でもある。
ヒロイン役の清原が「大号泣」したという過去の挫折、そしてその先に見つけた夏への扉とは?
「めちゃめちゃ落ち込みました」
――『夏への扉』では、1995年と2025年という2つの時代をまたにかけて、主人公たちが困難に立ち向かっていきます。そこで、清原さん自身が直面した挫折体験についてお伺いしたいのですが、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)は、オーディションで不合格になってしまったそうですね。
めちゃめちゃ落ち込みました。もう大号泣。連日、大号泣です。
本当に悲しい……。悲しいというよりも悔しい。「ただこの役をやりたい」と思って、母親とずっとセリフの練習をしていたので。
初めてちゃんと「この役をやりたい」と意志を持って行ったオーディションで、残れなかったのは大ダメージでした。
それだけに、ご縁があって「ふゆ」役で参加させてもらえた時はすごくうれしかったです。右も左もわからなかったですけど、わからないなりに頑張ろうと思いました。
支えてくれる人たちもたくさんいらっしゃって。しがみつくしかない、と根性でやってました。
『あさが来た』を撮ってた時は、単純にOKをもらえただけでうれしかったです。やっぱり、「もう一回」って言われることが本当に何回もあったので。
緊張で笑えなくて
――NGが当たり前みたいな。
はい。「笑顔が固い、もう一回」みたいな。
「それどころじゃない」「緊張で笑えないよ〜」って思ってしまう自分もいたと思いますし。いろんな感情の中でやってたと思います。
――長ゼリフがうまく言えず、泣いてしまったこともあったとか。
「結婚しましょう」「ぜひ」――っていう、長くて大切なシーンがあって。いよいよ来週その撮影をしなきゃいけない、と不安でいっぱいになりました。
前の週の土日はお休みだったんですけど、この貴重な休みを使って、わざわざ相手役の三宅弘城さんと監督が私の稽古をつけてくださいました。
もちろんふゆちゃん(清原果耶さん)も出てきます。 pic.twitter.com/qAfHm31ePj
— 三宅弘城 (@miyasekken) April 23, 2016
――優しい。
あり得ないですよね。いま、その朝ドラをまた撮っていて。『おかえりモネ』で自分がやってみて、すごくよく理解できます。
あんな大変なスケジュールの中で、ポッと入ってきた私なんかに稽古をつけてくださる。感謝してもしきれないくらい、すごくありがたいことだったんだなって、噛みしめてます。
「全然、完璧じゃない」
――映画『デイアンドナイト』(2019年)の主題歌『気まぐれ雲』を歌うなど、音楽活動も展開されていますね。
出演させてもらっている映画の主題歌という、ものすごく大事なお仕事。しかも役名義で……。膝がガクガクするくらい緊張しました。
責任感で肩が重くて、うまくできなかったです。
――透き通るような素敵な歌声でしたが。
本当に緊張しましたし、『デイアンドナイト』が好きだからこそ「やらないと、やらないと」という気持ちはありました。
――お芝居だけでなく、歌もダンスもすごい。完璧なイメージです。
全然、完璧じゃないですよ。
表に出すためには、しっかり努力しないといけない。とにかく何に対してもちゃんと真摯に向き合う、というのはずっと大事にしていることではあります。
涙をふいて
――ひょっとして、割と涙もろいタイプですか。
はい。
――即答(笑)
涙もろいです。いい話があっても泣くし、悲しくても悔しくても泣きますね。
――泣いたらスッキリする?
そうですね。泣いたほうがスッキリはします。
――ということは、前向きな涙ですかね。
そうです。次に進むための涙です。そういうことにしておきましょう!(笑)
でも、最近は泣いてないですね。
――強くなってきた。
強くなったのですかね。まだ19歳ですけど、19ながらいろんな経験をさせてもらっているので、きっと芝居を始めた12歳の頃からは成長してるのでは?と思います。
その頃に比べて、ちょっとは強くなってたらいいですね。
目標は…
――いまの清原さんが目指したい「夏への扉」、目標や展望はありますか。
目標は『おかえりモネ』のクランクアップです。
私はいま見ていることにしか集中できないタイプなので、出演している現場の作品を、とにかく必死に世の中に送り出せたら、という思いです。
『夏への扉』のインタビューなのに、すみません(笑)
(取材:神庭亮介 / BuzzFeed Japan 撮影:黒羽政士)
清原果耶(きよはら・かや)
2002年1月30日生まれ。大阪出身。2015年、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で俳優デビュー。2018年、『透明なゆりかご』(NHK)で連続ドラマ初主演。2020年、『宇宙でいちばんあかるい屋根』で映画初主演。
代表作に、映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『3月のライオン』『ちはやふる -結び-』、ドラマ『なつぞら』(NHK)、『俺の話は長い』(日本テレビ)など。現在、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』にヒロインとして出演中。10月1日には、映画『護られなかった者たちへ』が公開予定。
『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』
科学者の高倉宗一郎(山﨑賢人)は、いまは亡き養父・松下の会社で研究に打ち込んでいた。松下の娘・璃子(清原果耶)、愛猫ピートと過ごす幸せな日々は、ある謀略によって暗転してしまう。重要な研究の完成を目前に「冷凍睡眠」させられてしまった宗一郎が目を覚ますと、そこは30年後、2025年の東京だった――。大切な人を救うために時を超えるSFラブストーリー。
Source: ハフィントンポスト
朝ドラ俳優・清原果耶が涙した日「もう大号泣。連日、大号泣です」