冬に暖房とともに欠かせないのが加湿器です。家電量販店などの店頭にはたくさんの商品が並んでいますが、水分を空気に放出する方法によって、「加熱式(スチーム式)」「超音波式」「気化式」「複合式(ハイブリッド式)」の4タイプに大きく分けられます。
乾燥する季節に重宝する加湿器ですが、水の交換などのメンテナンスに苦労している人も多いようです。加湿器のタイプによって日々のお手入れの負担具合も変わってくるそうです。
加湿器メーカーのアイリスオーヤマ株式会社に、汚れやすいタイプの加湿器や、タイプ別のメリットやデメリット、さらにはお手入れ方法などについて教えていただきました。
加湿器の汚れに注意
冬にかけて、喉や肌の乾きを防ぎウイルス対策としても部屋の湿度は適切に保ちたいものです。それにしても加湿器に使うのは水のみなのに、なぜ汚れてしまうのでしょうか。
「水道水には塩素やカルシウムなどのさまざまな成分が含まれています。これらのミネラル分が水垢となってフィルター等に付着してしまうと、加湿能力が低下したり、異臭のもととなります。さらに、カビや細菌などの繁殖にも注意しなければなりません。
加湿器は、タンクの水を空気中に放出することで湿度を上げる仕組みです。放出方法により、汚れやすさやお手入れの方法が異なります」(アイリスオーヤマ)
汚れに注意したいタイプは?
▼1位:超音波式
デザイン性が高く、小ぶりのものやかわいいものも多く人気ですが、最も汚れやすいといいます。
「超音波式加湿器は、超音波の振動により水を細かい粒子に変え、空気中に放出します。問題は、タンクの水に汚れや雑菌が混じっていると部屋に拡散させてしまうことです。
他のタイプの加湿器でもタンクの水は毎日交換が必要ですが、超音波式は特に気をつけましょう。水位センサーや超音波振動子に汚れがつくことがあるので、綿棒などで掃除します」(アイリスオーヤマ)
▼2位:気化式
電気代が安いことで人気のタイプですが、比較的汚れに注意は必要だといいます。
「気化式は、タンクの水をフィルターに吸わせ、ファンで風を送って気化させ、その湿り気の多い空気を放出します。このためフィルターに雑菌が生えやすく、こまめなお手入れが必要です」(アイリスオーヤマ)
▼3位:加熱式(スチーム式)
水をお湯に沸かして使うタイプの加湿器です。
「スチーム式はタンクの水を沸かし、その蒸気を放出します。水が一度、煮沸消毒(しゃふつしょうどく)されるため、雑菌を拡散させてしまう危険性は低く、これが大きなメリットです。ただし、吹き出し口が熱くなりやすいので、設置場所など使い方に注意が必要です」(アイリスオーヤマ)
▼4位:複合式(ハイブリッド式)
これまで紹介した加湿器を組み合わせたようなタイプです。
「複合式(ハイブリッド式)は、気化式にヒーターをプラスしています。水を吸わせたフィルターに、温かい空気を当てることで気化させ、その空気を放出します。ほかに超音波式にヒーターをプラスしたものもあります。
価格帯は高めですが、部品に抗菌加工が施されているモデルも多く、汚れ防止に配慮されていることが多いです。しかし全く汚れの心配がないわけではないので、お手入れ時期を教えてくれるタイプのものは、お手入れサインが点灯したら必ずお手入れをしてください」(アイリスオーヤマ)
安心して加湿器を使うために
加湿器のお手入れについても、教えていただきましょう。
「毎日のお手入れとして、タンクの水は必ず交換しましょう。その際に少量の水を入れて振り洗いをし、その水も捨ててから新しい水を入れます。
定期的なお手入れとして、フィルターやトレイなど外せるものは外して流水で洗い、布でふきます。本体に残っている水は捨て、布などでふきます。フロート周りなど細かいところも、綿棒などで汚れを掃除します。
本体外側の 吸気口・吸気口カバーも忘れずに。外せるなら外して掃除機で汚れを吸い取ります」(アイリスオーヤマ)
少し汚れが気になるときのお手入れには、クエン酸を使います。
「フィルターのにおいが気になるようなら、約5%のクエン酸水で洗うか、浸け置き洗いをします。クエン酸は酸性なので水垢を簡単にきれいにできます。その後、水ですすいでおきましょう。
スチーム式の場合はクエン酸水をタンクに入れ、約1時間運転します。その後クエン酸水は捨て、水で洗いましょう。ただし、この方法は超音波式とハイブリッド式の加湿器では控えましょう。超音波を発生させる部品の傷みや劣化の原因となる可能性があります」(アイリスオーヤマ)
※お手入れについては、お使いの加湿器の説明書で確認してください
寒さとともに空気の乾燥も心配になってきます。きれいにお手入れした加湿器で、安心して過ごせるようにしましょう。
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