季節が真冬に向かうと、ニットの出番が多くなります。お気に入りのセーターなどは、何度も洗う機会があるかもしれません。
しかし、洗い方や干し方を間違えると、台無しになってしまうのがニット生地の特徴です。
ウェザーニュースで「ニット生地を自宅で洗って失敗した経験は?」というアンケート調査を実施したところ、半数の50%の人が「ある」と回答しました(2024年11月14〜15日実施、10,347人回答)。なかでも「専用洗剤でもダメだった」「縮んだ」「型が崩れた」という失敗が多いようです。
そこで今回は、全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・ハウスクリーニングチームの上田律樹さんに、ニットのNG洗濯と正しい洗濯法を教えていただきます。
ニット生地を洗うときは、事前にどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
「ニット生地の特性を知らずに他の素材と一緒に家庭用洗濯機で洗ってしまうと、縮んでしまったり毛玉ができてしまったりします。それは、ウールやカシミヤのニット製品が、とても繊細にできているからです。
まずは、セーターなどの内側に付いているタグの洗濯表示を確認してください。水洗いOKの表示があれば、家庭で洗濯することができます。水洗いが不可であれば、無理をせずドライクリーニングに出したほうがいいでしょう。
ウールやカシミヤなどのニット製品を家庭で洗濯する場合は、普段洗いの合成洗濯洗剤ではなく、『中性洗剤』を使ってください。ニットのおしゃれ着洗いに特化した中性洗剤も市販されています」(上田さん)
家庭で洗濯するときには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
「洗濯機にそのまま入れてはいけません。そのまま入れると、縮みや毛玉の原因になります。必ず洗濯ネットに入れてください。
ネットは、中でセーターが泳がないように、ぴったりサイズのものを選ぶのがポイントです。ボタンのあるものは留め、裏返しにして、たたんでネットに入れます。こうすると、汚れが気になる襟や袖口を外側にして洗うことができます。
部分的な汚れを落としたい場合は、予洗いをしましょう。中性洗剤をぬるま湯に溶かし、汚れの目立つ部分をつまんだり押さえたりして汚れを押し出します。このとき、ゴシゴシ洗わないことが大切です。
枚数が少ないときやデリケートなセーターを洗うときは、洗濯機を使わず手洗いするのがお勧めです」(上田さん)
冬は寒くて水が冷たいので、お湯で洗ってもいいのでしょうか。
「洗濯機で洗う場合でも手洗いする場合でも、決して熱いお湯を使ってはいけません。ウールやカシミヤなどの天然素材は、お湯で洗うと色落ちしたり丈が縮んでしまったりして、せっかくのおしゃれ着が台無しになります。
40℃以上のお湯は使わないようにして、必ず30℃以下を守ってください。特に手洗いする場合、冬は水が冷たいのでお湯を使いたくなりますが、天然素材のニットは高温厳禁です」(上田さん)
ほかに、ニットを洗う時にやってはいけないことはありますか。
「乾燥機にかけてはいけません。最近では洗濯から乾燥まで全ておまかせの洗濯機もありますが、ニット類を乾燥機にかけると毛玉や縮み、型崩れの原因になります。また、フェルトのように素材が硬くなる可能性もあります。
ウールやカシミヤは縮みやすいので、自然乾燥させましょう。やさしく形を整えて、日陰で平干しにするのが一番です。
干すときにハンガーを使うと肩の部分に跡が残ったり、セーター自身の重みで伸びてしまったりします。ホームセンターや100円ショップで売っている「平干しグッズ」を使うといいでしょう。平干しグッズがないときは、ソファーの背もたれやピンチハンガーの上に干してもよく乾きます」(上田さん)
せっかく出番がきたお気に入りのセーターを、一度の洗濯の失敗で台無しにしてはいけません。3つのNG洗濯をしっかり頭に入れて、これからの寒さを乗り切ってください。
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取材協力
アクティア株式会社(https://www.kajitaku.com/)
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