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ロバート・ケネディ・ジュニア氏とは?米保健福祉長官に指名されたワクチン懐疑論者。これからどうなる?

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ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏=2024年9月10日、米ペンシルバニアロバート・F・ケネディ・ジュニア氏=2024年9月10日、米ペンシルバニア

2024年大統領選で勝利したトランプ氏が新たな政権の人事を発表する中、保健福祉長官に指名されたのが、ロバート・ケネディ・ジュニア氏だ。

「アメリカを偉大に、そして健康に」する任務を担うケネディ氏だが、11月17日にトランプ氏の長男ジュニア氏がXに投稿した写真では、飛行機の中でトランプ氏やマスク氏と共にマクドナルドやコカコーラを楽しむ姿が写っており、批判されている。

【画像】トランプ氏などと共に機内でマクドナルドの食事を楽しむケネディ氏

どんな人物?

ケネディ…? と察する通り、米政界で有名なケネディ家の一員。ケネディ元大統領を伯父に持ち、父親はロバート・ケネディ元司法長官という政治家一族で育った。

ロバート・ケネディ・ジュニア氏は1954年1月17日生まれ、ワシントンD.C.出身の70歳。ハーバード大学を卒業後、複数のロースクールから学位を取得している。

ケネディ氏は環境問題を専門とする弁護士として活躍してきた一方、近年は「反ワクチン陰謀論者」として知られている。

2024年大統領選には当初、民主党の候補者に立候補するも、その後無所属としての出馬を表明。しかし後に選挙活動を中止し、共和党のトランプ氏の支持を表明した。

ケネディ氏が保健福祉長官になったらどうなる?

保健福祉省(HHS)は、疫病予防管理センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)など重要な機関を所管している。

もしケネディ氏が長官に承認されれば、これらの機関は全て、ワクチン懐疑派で、国の健康基準を見直すと繰り返し公言してきた人物によって運営されることになる。

新トランプ政権で、ケネディ氏が提案している内容の一部を紹介しよう。

1. 飲料水からのフッ化物除去 

フッ化物は自然界に存在するミネラルで、アメリカでは何十年もの間、国民の飲料水の多くに添加(フロリデーション)されており、虫歯を劇的に減少させることが証明されている。

一方ケネディ氏は、フッ化物は「関節炎、骨折、骨がん、IQ低下、神経発達障害、甲状腺疾患」につながる「産業廃棄物」だと主張し、次期トランプ政権で「すべてのアメリカの水道システム」でフッ化物を除去すると公言している。

2015年に引き下げられた環境保護庁の推奨レベルにおいて、そういったことはないNIHは、より高いレベルのフッ化物への過度の暴露によるいくつかの健康リスクについて概説している。NIHは、過度の暴露が子供のIQ低下につながることを示す証拠もあるが、その証拠は「弱く、法論的に欠格がある」と専門家は指摘している。

CDCは、推奨量のフッ化物摂取と健康への悪影響を結びつける説得力のある証拠はないと述べた。

2017年の調査では、フッ素添加プログラムによって、アメリカ人の歯科治療費が60億ドル(約9000億円)以上節約されていることも分かった。

水道水へのフッ素添加は、ワクチン摂取やタバコの健康被害認識と並んで「20世紀の公共衛生の10大成果」としてCDCが挙げるほど、大きな成功を収めている。

トランプ氏はケネディ氏の姿勢への支持を表明しているが、公共飲料水へのフッ素添加を禁止する権限は地元の管轄にあり、連邦政府の範疇ではないため、大統領が禁止することはできない。

2. ワクチン接種プログラムへの連邦政府支援の削減

ケネディ氏はアメリカでも有数のワクチン懐疑論者で、陰謀論や科学的根拠のない説を広めながら、「安全で効果的なワクチンなどない」と主張している。

彼は反ワクチン団体「Children’s Health Defense」の創設者であり、「予防接種が自閉症を引き起こす」というすでに否定された考えを売り込んでいる。また、連邦政府のワクチン接種プログラムをホロコーストに例えたこともある。

WHO(世界保健機関)によると、天然痘を根絶し、麻疹のような伝染病による数百万人の死亡を防ぎ、1988年以来ポリオの発生率が99%減少したのはワクチンの効果であるといい、ケネディ氏の発言は保健当局により否定されてきた。

トランプ氏はワクチンを承認する連邦機関に圧力をかけることはできても、彼単独ではワクチンを禁止することはできなかった。今回、CDCとNIHを監視する機関のトップにケネディ氏が起用されたことで、健康擁護者らは不安を感じている。

ケネディ氏はワクチン接種の廃止を要求していないと主張しており、ワクチン接種を禁止しない、と公約している。しかしケネディ氏は「連邦政府当局が安全性データを混同してしている」とい長年主張しており、保健当局者を悩ませている。

CDCのマンディ・コーエン所長はワシントン・ポスト紙に対し、ケネディ氏が指名されたことに深い懸念を示し、こう述べた。

「ワクチンが効くと人々に思い出させるために、子どもや大人が苦しんだり命を落とすのを見るような、以前の状況に戻りたくありません」

3. アメリカの食を変える

ケネディ氏は、学校給食から加工食品を排除し、食品着色料の使用を制限することを公約に掲げている。

最近テレビ番組でカラフルな朝食用シリアルを非難した際には、こう訴えた。「カナダのフルーツループ(シリアル)の原材料は2~3種類なのに、なぜこの国(アメリカ)では18~19種類にもなるのか?」

この情報は正確ではない。カナダのフルーツループもアメリカで販売されているものと同レベルの数の原材料を使っている。しかしカナダでは特定の食品着色料の使用が制限されている。とはいえ、FDAは、認可された人工着色料は「科学的証拠」に基づいて安全であるとしている。

ケネディ氏はまた、トランプ氏の食生活を批判し「彼が食べているものは、本当にダメだ」と述べた。

「選挙運動中の食事は本当に体に良くないが、彼の飛行機内の食べ物は、もはや毒だ」と最近のインタビューで語った。

「ケンタッキーかビッグマックかの選択肢しかない。しかもそれがあるならラッキーな方だ。あとは食えたもんじゃない」

4. FDAを解体し、生乳やその他の「抑制された」療法を推進

ケネディ氏は最近、FDAの全部門の職員は「去るべき」と考えていると記者に語った。特に栄養部門の専門家たちを「仕事をしていない」「子どもたちを守っていない」と批判した。

さらに、こうした連邦機関の腐敗を根絶すると述べた。「腐敗がなくなれば、アメリカ人は良い兆候を感じ、自分の選択を許され、今よりずっと健康になるだろう」と話した。

ケネディ氏はまた、政府の忠告に反して生乳の利点を信奉してきた。FDAは、低温殺菌されていない生乳はしばしば病気の発生につながると警告している。

10月にはXで、「幻覚剤、ペプチド、幹細胞、生乳、高気圧療法、キレート化合物、イベルメクチン、ヒドロキシクロロキン、ビタミン、クリーンな食べ物、日光、運動、栄養補助食品など、人間の健康を増進し、製薬会社が特許を取得できないものへのFDAの過剰な抑制は終わる」Xに投稿した。

5. 健康に関して「好き勝手」にする

選挙戦の終盤、トランプ氏は「アメリカを再び偉大に、そして健康にする」というビジョンの一環として、ケネディ氏に健康に関して「好き勝手」にする力を与えると述べた。その中には、「女性の健康」を担当するという公約も含まれていた。

ケネディ氏の潜在的な保健福祉長官としての役割は、人々の日常生活の多くの側面を彼の権限下に置くことになり、共和党が中絶へのアクセストランスジェンダーの若者のためのヘルスケア医療保険制度改革法を標的にし続ける中で、ケネディ氏がどのように行動するかを多くの人が懸念している。

ケネディ氏は11月14日、Xにこう投稿した

「私たちは、科学、医学、産業、政府における最高の頭脳を結集し、慢性疾患の蔓延に終止符を打つ、世代を超えた機会を手にしている」

「アメリカ人が自分自身と家族のために、十分な情報に基づいた選択ができるよう、透明性を提供し、すべてのデータにアクセスできるようにする」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。

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ロバート・ケネディ・ジュニア氏とは?米保健福祉長官に指名されたワクチン懐疑論者。これからどうなる?

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