NPO法人プライドハウス東京は、日本オラクルと協力し、トランスジェンダーとノンバイナリーをテーマにした資材を制作、公開した。
この資材は、企業向けセミナーで使っているもので、「スキット(寸劇)」を取り入れているのが特徴。
知識を身につけるだけではなく、職場の人間関係の中で、当事者が遭遇しやすいシチュエーションを疑似体験することによって、自分たちにできることを話し合い、行動変容のきっかけにしてもらうことを目指している。
◆無自覚の差別や偏見気づくきっかけに
トランスジェンダーは出生時に割り当てられた性別と自認する性が異なる人、ノンバイナリーは自身の性自認・性表現に「男性」「女性」といった枠組みをあてはめようとしないセクシュアリティを指す。
資材では、次の3点をゴールに想定している。
・トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちの困難を知る
・困難を改善するために何ができるのかを考える
・日常でできることを行動に移す
スキット部分では、職場で実際に起こりそうな場面を用意。3~4人がそれぞれ、トランスジェンダー役やノンバイナリー役、アライ役を台本に沿って演じる。
スキットの中には、あえて違和感のある言葉、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏ったモノの見方)や、マイクロアグレッション(無意識の行動や言葉に何気なく表れる差別や偏見)などの発言も入れている。観た人がそれぞれどう感じ、どのように改善したいと考えるか、スキットの後にダイアログ(対話)の時間で話し合うという流れだ。
ダイアログでは、スキットを観て感じたことを参加者がそれぞれの視点でシェアし、意見を交換。結論を出すために意見を集約させるのではなく、さまざまな視点や価値観を尊重し、テーマに即してさえいれば、内容にまとまりがなくても構わないという。
同法人は「さまざまな企業で活用されることを期待しています」としている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
トランスジェンダーらへの「無自覚な差別や偏見」気付いて。LGBTQ団体の「寸劇」資料が目指す社会