持続可能の推進に取り組む上で欠かせない「多様なサプライチェーンの連携」。
分野や領域の垣根を超えて、多くの企業が「横のつながり」を通じた取組みを進めている。
伊藤園と日清食品は、輸送の往路だけでなく復路の車両活用にも着目した循環型の物流連携を共同で強化している。
その一環として「往路に茶葉、復路に即席麺」を運ぶ「ラウンド輸送」の毎日運行を、7月22日(月)から開始した。
ラウンド輸送とは、トラックに積み込んだ貨物を目的地で降ろした後、別の貨物を積み込んで出発地まで帰ることによって、空車回送区間をなくし、車両の配送効率を高める輸送形態のこと。
今回新たに開始されたラウンド輸送では、往路は伊藤園の生産委託工場(愛知県江南市)から伊藤園の管理倉庫(静岡県牧之原市)へ茶葉を輸送し、復路は日清食品の静岡工場(静岡県焼津市)から日清食品の在庫拠点 (愛知県春日井市) へ即席麺を輸送する。
共同輸送の毎日運行は、両社ともに初となる取組みだ。これにより従来の輸送と比べてトラックの使用台数が約19%減少し、CO2排出量が約17%削減される見込みだという。
両社は、これまでもトラック台数の抑制やCO2排出量の削減に繋がる取組みを共同で実施してきた。
両社が原料輸送で用いたパレットを、関西エリアから静岡県の各工場に共同で返却輸送する「空きパレットの共同返却輸送」では、積載率が向上することで、トラックの使用台数を従来に比べ約9%削減し、CO2排出量は約31%削減している。
また、日清食品の静岡工場(静岡県焼津市)で生産した即席麺と、伊藤園の静岡相良工場(静岡県牧之原市)などで生産した茶葉を同一のトラックに混載し、関東エリアへ共同輸送する「即席麺と茶葉の混載輸送」では、軽い即席麺と重い茶葉の混載により複合積載率(重量積載率と容積積載率を乗じた値)を改善することで、トラックの使用台数を従来に比べ約38%削減し、CO2の排出量が約23%削減している。
両社は今後さらに連携を強化し、両社の看板製品である「カップヌードル」などの即席麺と「お~いお茶」などの飲料製品を混載して輸送するなど、より幅広い領域での物流連携も検討しているという。
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行きは茶葉、帰りは即席麺を輸送?伊藤園と日清食品が「ラウンド輸送」を開始