この大葉、葉が薄く繊細なため、冷蔵庫に入れておいたらしおれてしまった、という経験も少なくないと思います。そこで上手な大葉の保存テクニックを、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
古くから親しまれた和製ハーブ
大葉の原産地はヒマラヤからビルマ、中国とみられています。
「日本に渡ってきたのは非常に古く、2500年前の土器に種が発見されたといいます。その後、奈良時代ごろになって栽培が始まったとされています。当初は薬用として用いられ、室町時代以降になると食用となっていったそうです。
葉は薄いですが、β-カロテンやビタミンC、ミネラル類を豊富に含みます。
また、香りには殺菌防腐効果がある『ペリルアルデヒド』という成分が含まれているため、これからの季節に注意したい食中毒を予防する効果もあります。
食欲増進効果もあるので、夏バテで食欲が減退したときにはおすすめです」(吉田さん)
食べ方で保存法を変えて便利に
大葉は最低でも10枚単位で売られています。使いきれない場合の保存法を教えてください。
「大葉は生で薬味に、肉などに巻いて揚げ物、刻んで炒め物の香りづけに使う場合が多いと思います。
しかしその他にも多くの食べ方があり、それぞれに応じた保存をすると、調理の際に時短にもなり美味しく食べることができます。何種類かご紹介しましょう」(吉田さん)
▼生の鮮度を保って保存
「生のまま鮮度を保つように保存するには、大葉の間に1枚ずつ濡らしたキッチンペーパーをはさみ、重ねてチャック付き保存袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保存します。
また、大葉を束ねてから葉の柄だけが水に浸かるようにコップなどに1cm程度水を入れ、そこに挿してからポリ袋で覆い、冷蔵庫で保存する方法もおすすめです」(吉田さん)
▼冷凍して保存
「冷凍もできます。多少香りが飛びますが、せん切りなどにしてから冷凍すれば出してすぐ使えるので便利です。
軽く水洗いして水気を拭き、せん切りにしてからポリ袋などに入れて空気を抜き、冷凍してください。ただ解凍するとくたっとなるので、加熱調理する炒め物などに使うようにしてください」(吉田さん)
▼乾燥させて保存
「乾燥バジルなどが市販されていますが、大葉も乾燥させて保存することができます。軽く洗って水気を拭き取り、キッチンペーパーを敷いた皿に重ならないように並べ、ラップをせずに電子レンジ強(600W)で3分加熱します。
加熱したら一度出して乾燥の程度を見て、乾燥が足りなければ10秒ずつ追加で加熱します。パリパリになったらあとは手でもんで細かくするだけです。保存袋などに入れておけば長期保存が可能です。
香りが残り、和風パスタやサラダのドレッシングなどに使うと風味が増します」(吉田さん)
▼漬けて保存
「醤油とみりんを1:1、あとはお好みで白ごまやごま油、コチュジャンなどを入れた漬け汁を作り、そこに大葉を入れて1日漬けると大葉の醤油漬けができます。
海苔のようにおにぎりに巻いたり、お弁当のごはんの上にのせると、美味しい上に食中毒の予防にもなります」(吉田さん)
これから本格的に暑くなります。大葉を無駄なく使い切って、豊富な栄養を美味しく摂りましょう。
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