3人組のバンド・Mrs. GREEN APPLEが6月12日に公開した新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)に対し、批判が起きている。
この曲はコカ・コーラ「Coke STUDIO」のキャンペーンソングとして書き下ろされた楽曲だ。
MVでは、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんがコロンブス、若井滉斗さんがナポレオン、藤澤涼架さんがベートーヴェンに扮し、「もしも生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?」という設定のストーリーが描かれている。
3人が訪れた島にある家には、猿のように描かれた人々が住んでいた。3人は、ピアノや馬の乗り方を教えたり、人力車を引かせたりしたほか、敬礼させるシーンもある。
【動画】批判が起きているMrs. GREEN APPLE「コロンブス」のミュージックビデオ
侵略者や奴隷商人として再認識されているコロンブス
クリストファー・コロンブスは大航海時代の探検家として知られ、1492年にバハマ諸島に到着して、アメリカ大陸を「発見」した人物と呼ばれてきた。
長年「ヒーロー」扱いされてきたコロンブスだが、近年は侵略者や奴隷商人としての側面が知られ、問題視されるようになっている。
コロンブスの一団は、カリブ海の島々の先住民を武力で制圧し、植民地化して奴隷制を導入。
先住民族を虐殺し、女性たちをレイプして性的搾取の人身取引を始めたほか、一団が持ち込んだ病気によって多くの人が亡くなったことがわかっている。
アメリカでは10月第2月曜日はコロンブス最初の航海を記念する「コロンブスデー」の祝日になっているが、近年はさまざまな都市がこの祝日を「先住民の日」に置き換えているほか、各地でコロンブスの像が取り除かれてきた。
歴史や人権、先住民族の問題に対する認識が変化する中で、コロンブスに扮した人物が南の島を訪れて、「猿」のように描いた先住民に西洋文化を教え、人力車を引かせる内容のMVは批判的に捉えられている。
ソーシャルメディアには「人種差別的な楽曲」「猿を奴隷のように使い、文化を教えるようなコンテンツだ」「歴史や人権問題にあまりにも無関心では」といった声が投稿されている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」のMVが物議。「コロンブス」は一体何をした人物なのか、知っておきたい歴史と評価の変遷