歌手の藤あや子さんが5月7日、自身の公式Xなどで、子宮と卵巣の手術を受け、初期の子宮体がんと診断されたことを公表した。
藤さんは「告知された時は正直実感が湧きませんでしたが これからまだまだ歌い続けていく為にもしっかりと治療して頂こうと気持ちを切り替えました」と今の心境をつづっている。
日本では年間約1万3000人がかかり、患者数は増加傾向にあるといわれる子宮体がんとは、どのような病気なのか。
最も多い症状は「不正出血」
日本産科婦人科学会や国立がん研究センター東病院などの公式サイトによると、子宮体がんは子宮体部に発生するがんで、子宮内膜がんとも呼ばれる。生理がある年代の患者は比較的少なく、生理が終わった50〜60代に多い特徴がある。
日本産科婦人科学会によると、最も多い自覚症状は「不正出血」で、がん初期からみられる。閉経後や、更年期での不正出血が確認された時は特に注意が必要だという。
出血は褐色のおりものだけの場合もあるとして、日本婦人科腫瘍学会は「不正出血が長く続く場合や、閉経後に出血がみられる場合などは婦人科で診てもらうことが重要」だと呼びかけている。
子宮体がんが発生する多くの場合に、卵胞ホルモン(エストロゲン)が深く関わっている。卵胞ホルモンの値が高い人は子宮体がんが発生しやすい傾向にある。具体的には、▽出産したことがない▽肥満▽月経不順▽卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている━といった場合だ。
このほか、高血圧や糖尿病、近親者に乳がん・大腸がんを患った人がいるといった要素も、子宮体がん発生のリスク因子といわれている。
主な治療は手術
日本婦人科腫瘍学会や愛知県がんセンターによると、子宮体がんの治療は手術が主体で、子宮と卵巣・卵管の摘出が基本という。一部の早期の子宮体がんに対しては、カメラを使用した腹腔鏡下手術なども保険診療として行われている。
手術以外にも、放射線治療のほか、抗がん剤を使ってがん細胞を減少させ増殖を抑える化学療法などがあるという。がんのステージ(病期)によっても治療法は異なる。
日本産科婦人科学会は、病気が子宮にとどまっている範囲で治療することで8割以上の患者は治ることが期待できるといい、「子宮体がんは決して治りにくいがんではありません」と強調。その上で、早期発見と早期治療が重要だとして、気になる症状があった場合には受診するよう呼びかけている。
過去には、俳優の三田佳子さんや原千晶さんなども子宮体がんを公表している。
お笑いコンビ・日本エレキテル連合の中野聡子さんは2022年に子宮頸がんを公表したが、翌23年1月に子宮体がんだったと明らかにした。
ライブを中止するにあたり子宮頚癌を公表しましたが、先生方に丁寧に調べていただいたところ子宮頚癌ではなく、子宮体癌でした。頸部に近いところにできたので、頸癌検査で見つかって私はスーパーラッキーだと思っています。改めて言うことでもないのかもしれませんが違う病気でした。
— 日本エレキテル連合中野🐼 (@elekitel_event) January 20, 2023
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「子宮体がん」とはどんな病気?藤あや子さんが公表。症状や、なりやすい人の特徴は