1: 通りすがりのコメンテータ(韓光勲:在日コリアン3世ライター)
TBS系列で毎週火曜日夜10時に放送されているドラマ「Eye Love You」が話題を呼んでいる。ドラマに登場する韓国人留学生の男性に心を奪われる日本人女性が続出しているのだ。なぜ日本人女性は韓国人男性に惹かれるのだろうか。
ドラマの内容は、ファンタジー要素あふれるラブストーリーである。主人公の本宮侑里(二階堂ふみ)はチョコレート製品を販売する会社の若き社長。侑里はある事故をきっかけに、相手の心が聞こえるようになる。特殊能力のせいで相手の本音を知ることが多く、恋は長年諦めていた。
ある日、侑里は韓国からの留学生、ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と出会う。テオは大学院に通いながら、インターンとして侑里の会社にやってきた。テオの心の声は韓国語のため、侑里には理解ができない。侑里に好意を持ったテオは積極的にアプローチしていく。そこに侑里の大学時代からの親友、花岡彰人(中川大志)もいて、2人の恋の行方は果たしてどうなるのだろうか? というドラマである。
しゅんとしているテオを「抱きしめてあげたい」
筆者は31歳の男性として、テオ役の韓国人俳優、チェ・ジョンヒョプが魅力的なのは分かったが、彼に惹かれる女性の心理が分かるわけではない。そこで、このドラマに熱中している友人の女性たちに感想を聞いてみた。まずは、韓国に留学経験もある26歳の女性。「このドラマは代理満足ですよね」とのこと。韓国語でいう「代理満足」とは、自分以外の誰かによって自分の欲求が満たされることを指す。要するに、2人がロマンチックな恋をして幸せになっていくストーリーを見て、視聴者である自分も満足する──ということらしい。
劇中では、韓国人男性がストレートな愛情表現をするシーンが目立つ。「かわいい」や「好きです」といった言葉を素直に表現するのだ。「こういう表現は日本人男性はあまりしてくれないので、余計にキュンとする」とのこと。なるほど。確かに劇中の日本人男性、花岡は控えめである。
同様の意見を言ってくれたのは、31歳の会社員女性。「テオは上目遣いしたり、まっすぐ見つめたり、自分の可愛さをしっかり生かして相手をキュンとさせてくる」のにやられたという。この女性によると、日本人の男性が同じ愛情表現をしても「わざとらしい感じ」がするのだが、日本語が完璧ではない韓国人男性がすると一生懸命に見えたり、新鮮に感じるのだという。そうなのか。
テオは日本語がうまいが、完璧ではない。イントネーションや発音は韓国人の話す日本語のそれである。そのテオが日本語で一生懸命思いを伝えてくれるから、誠実でまっすぐな印象を与えるのだろう。
この女性は、敬語で話してくれる年下のテオを守ってあげたくなるといい、「庇護欲(ひごよく)を刺激される」とのこと。「テオがしゅんとしてる時は抱きしめてあげたい」のだという。そんな種類の「欲」があるのだと、筆者は今回初めて知った。
ほかの会社員女性(30)は「30歳を越えてから、年下がよく見えてきた」と教えてくれた。「仕事を続けていて30歳になると、経済的・精神的余裕が出てくる。そうなると、年上の男性の『俺について来い』という態度はしんどくなる。むしろ、年下の男性についてきてほしい。日々仕事に疲れているから、癒されたい。テオは私の癒し」と語ってくれた。
この女性は旅行代理店の営業として8年間働いており、主人公の侑里にも共感するのだという。侑里は若き社長で、日々の仕事のストレスも多い。そこに突然現れた年下男性は「癒し」になるのだ。「私くらいの年代でバリバリ働いている女性には刺さるドラマ」なのだと熱っぽく話してくれた。
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なぜ日本人女性は韓国人男性にメロメロなのか?