関連記事>>>「9時5時の仕事なんて無理」とZ世代。でもそれは甘えではない
アメリカで1月7日に開催されたゴールデングローブ賞授賞式で、ある俳優が行った受賞スピーチが話題となっている。
受賞したハリウッドスターの多くが共演者や撮影スタッフ、エージェント、家族に感謝を捧げるなか、『一流シェフのファミリーレストラン』でテレビ部門(コメディ・ミュージカル)最優秀女優賞を受賞したアヨ・エデビリさんは、普段光の当たることの少ないアシスタントたちにも感謝の言葉を述べた。
作品の関係者や家族に感謝を伝えたエビデリさんは、続けて「エージェントやマネージャーのアシスタントの皆さん、本当に最高、ありがとう!」と述べ、観客から拍手が起きた。
「私のクレイジーなメールに答えてくれてありがとう」
短いメッセージだったが、大きな意味を持つ言葉だった。
以前、俳優のメラニー・リンスキーさんが授賞式でベビーシッターに感謝したのと同様に、エデビリさんの言葉は、その人たちがいてくれるおかげで表舞台に立つ人が仕事や私生活をスムーズに進められるという、裏方のヒーローたちに光を当てるものだった。
アシスタントや元アシスタントたちにとって、それは画期的な瞬間となった。
大手タレントエージェンシーWMEの元アシスタントで、Instagramページ「Assistants vs. Agents」を運営するワーナー・ベイリーさんは、エデビリさんのスピーチ動画を投稿し、「私の人生は満たされた」とキャプションをつけた。すると数分もしないうちに「ついに認識され、評価されたと感じた」という何百ものコメントがアシスタントとして働く人たちから寄せられたという。
「(エデビリさんの受賞スピーチは)素晴らしい瞬間で、すてきなことでした。これに続く人たちが出てくることを願っています」とベイリーさんはハフポストUS版に語り、「アヨ・エデビリさんはまちがいなくすべてのアシスタントの心をつかみました」と話した。
アシスタントはもっと称賛されるべき
ハフポストUS版が取材したすべてのアシスタントたちは、公の場で感謝を伝えられることはまだ多くはないが、された時にはとても嬉しいと答えた。
「アシスタント業をステップアップするための役割と見る人は多いですが、私たちの多くはこれを生涯の仕事と考えていて、この仕事が大好きです」と、LinkedInのエグゼクティブアシスタントであるロビンソンさんは話す。
「このようなスピーチは、私たちの仕事がどれほどの価値を生み出しているかを示す手助けになります。これが珍しいことではなくなることを願っています」」
「誰がいつ撮影セットにいるべきか、いつ会議に出るべきか、いつヘアメイクが必要になるかなどすべてを調整するのが私たちの仕事です。仕事に大きな喜びを感じていますが、みんなの前でほめられるのは格別です」
アシスタントであることは、スポットライトにいる誰かを支え、助ける控えめな職業であることが多いが、アシスタントたちは自分たちもリーダーであることを知ってほしいと思っている。
「エグゼクティブアシスタントの役割は、コーヒーを入れ、コピーする人だと見られていることが多いです」と語るのは、CEOのエグゼクティブアシスタントであり、アシスタントのアドバイス本の著者でもあるジェレミー・バローズさんだ。
「アシスタントは混乱を鎮める人、文化を創造する人、運営の専門家、非効率を破壊する人、関係を築く人、流れを変える人、動向をチェックする人、時間を曲げる人、そして恐れ知らずの交渉人です。簡単に言えば、アシスタントはリーダーです」
バローズさんは過去に、担当していたCEOから公の会議で「これが私のアシスタントのジェレミーです。実際に会社を運営しているのは彼です」と紹介された事が記憶に残っていると述べた。
「個人的には、感謝を伝えるのにこれ以上の方法はないと思いました」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
光の当たらないアシスタントらに「ありがとう」。米俳優の受賞スピーチに拍手喝采【ゴールデングローブ賞】