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ベリーダンスがきっかけで中東料理を楽しむセクシー田中さん。料理から世界を知るのは楽しい

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最近、夢中で見ているドラマがある。『セクシー田中さん』(日テレ系)という作品だ。漫画原作のラブ・コメディと言えばそうなのだが、意外にも、その中にはフェミニズムや有害な男らしさとは何かということがそれとなく描かれている。

主人公の田中さん(木南晴夏)は、地味な会社員だが、同僚には内緒で夜はレストランでベリーダンスを踊っていた。それを偶然見てしまった会社の後輩の朱里(生見愛瑠)は、すっかり田中さんのファンになり、自らもベリーダンスを始める。

田中さんは、近所のスーパーで笙野(毎熊克哉)という商社マンと出会う。この笙野がひどいミソジニーの持ち主で、田中さんがベリーダンスを踊っているのを見て、「よくそんな恰好して人前で踊れますね」と失礼極まりないことを言う。

しかし、笙野は田中さんと出会って交流するうちに、その偏見が少しずつ解けていく。ふたりは友人として、ときどき田中さんの家で料理を作ったりすることがあるのだが、一人暮らしが長く料理が上手い笙野は、結婚相手には料理や家事のできる人が理想だという。 

それを聞いた田中さんが、「そんなに家事ができるんだったら、家庭的な奥様じゃなくてもいいんじゃないでしょうか」と言ったことで、笙野は何か憑き物が落ちたように、自分が凝り固まっていたことを知るのだった。

田中さんはベリーダンスをしているため、その起源や文化に関心がある。一方、笙野はインド映画が好きで、ふたりはさまざまな国の料理を作ったり、食べたりして楽しんでいる。

原作漫画も読んだが、ふたりが中東の料理を食べにいき、トルコのパン・エキメッキやメゼ(前菜)やフムスを食べるシーンもある(私はフムスしか知らなかった)。

前回の白央さんも書いていた通り、新たな味わいを知るのは楽しいもので、このシーンからも、そんな楽しみが伝わってきたし、エキメッキやメゼも食べてみたいなと思った。料理をきっかけに外の世界を知ることには、意義があるなと感じる。

中東の伝統的な料理の1つ、ひよこ豆をペーストにした「フムス」中東の伝統的な料理の1つ、ひよこ豆をペーストにした「フムス」

まるで給食のピラフ?ウイグル料理「ポロ」

私も、知らない土地の料理を食べに行くことが好きで、ウイグルとトルコ料理が食べられる高田馬場のお店(今は閉店しているらしい)で、初めてポロというピラフのような料理や、ラグメンを食べたこともある。

韓国や中国など、東アジアのものは、かなり食べていたので、どちらかというとアジアの料理は香辛料が効いていて、辛いものが多いのかと思っていたのだが、ポロやラグメンとはそれとはまったく異なっていて、一言でいうと「やさしい」味がする。思い出したのは、給食に出てきたピラフだ。私は献立にピラフのある日が楽しみだった。 

またラグメンのほうは、トマトをはじめとした野菜のソースが、パスタよりも太く、うどんよりも細いくらいの麺の上にのっている。私は、四国の出身なので給食にソフト麺が出てきたことがないので食べたことはないのだが、もしかして、これはソフト麺に近いのでは?と感じた記憶がある。

そして、今こうやって書き記していると、ポロはインドに渡っていくとビリヤニになり、ヨーロッパに行くとピラフになったのだろうなと思い、地図の上の海を渡るポロの姿を思い浮かべてしまった。

中東の料理には、羊の串が出てくることが多い。高田馬場のお店でも羊の串を食べた。こちらは、甘辛いクミンなどの香辛料の粉がかかっていて、いろんなアジア地域の羊の串料理と比較的近い味がする。

中国も東北地方やモンゴルに近いところでは、羊料理が多いし、やはりクミンの味が特徴的だ。中国と北朝鮮の国境付近にある延辺という町には、朝鮮族の人たちがたくさん住んでいる。その人たちが韓国に働きに行き、移民となることも盛んで、韓国映画にも彼らがよく出てくるのだが、その延辺料理にも羊の串は出てきて、やはりクミンの効いた味がクセになる。

ウイグル料理「ポロ」。給食に出てきたピラフを思い出すやさしい味ウイグル料理「ポロ」。給食に出てきたピラフを思い出すやさしい味

実は10月に韓国に4、5年ぶりに行ってきた。なぜかソウルではなく、ソウルから地下鉄で一時間くらいの水原というところに滞在した。私が水原に行ってみて思ったのは、東京に対しての横浜やさいたま新都心、立川に距離感や雰囲気が似ているなということだった。

その水原をふらふらと歩いていると、中国出身の人たちが多く住むチャイナタウンにたどり着いた。そこは、中国野菜や中国の日用雑貨などのお店が立ち並び、韓国の街並みともまた違った雰囲気が漂っていた。ちょっと勇気がなくて、飲食店には入れなかったが、羊などが中心の料理は、韓国料理とも違って、きっとおいしかったんだろうなと、少し心残りではある。

韓国には、こうしたチャイナタウンがところどころに存在しているらしい。しかし、水原のチャイナタウンは横浜中華街とは違う。たぶんそれは、日本の中華街が、広東省や福建省などの人が多いのに対して、韓国の中華街には、先にも書いた通り延辺の人が多いからだろう。だから、出されている料理も羊が中心で、どちらかというと高田馬場とか大久保とか西川口のほうが雰囲気としては近いのではないかと思った。

韓国のチャイナタウンについては韓国映画でも見ていたが、実際に歩いてみると、情報として得ていたのとは違った空気を感じることができる。またどこかにふらりと行きたくなってしまった。  

2023年10月に訪れた水原のチャイナタウン2023年10月に訪れた水原のチャイナタウン

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ベリーダンスがきっかけで中東料理を楽しむセクシー田中さん。料理から世界を知るのは楽しい

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