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作家の村上春樹さんが、自身がDJを務める11月26日放送のラジオ番組で、旧ジャニーズ事務所の性加害問題に言及。「勇気を出して声を上げることの大事さを改めて痛感させられました」と述べた。
村上さんはラジオ番組「村上RADIO」(TOKYO FM)で、1964年に起きたアメリカ軍と北ベトナム軍の衝突「トンキン湾事件」を取り上げた。当初、北ベトナムの軍艇がアメリカの軍艦に攻撃を仕掛けたとして、アメリカではベトナム戦争に本格介入する大義名分とされた事件だ。だが、後にアメリカ軍側の捏造だったことが明らかになる。
村上さんは、同事件の発生時、アメリカ大統領に戦時権限を付与する議案に反対した議員がわずか2人だったことや、両議員が「反愛国的だ」などとしてアメリカ社会で激しい批判を浴びたことなどに言及。
さらに、「イラクが大量破壊兵器を開発している」という虚偽情報により始まったイラク戦争も例に挙げ、「残念ながら歴史は繰り返されます」と話し、こう訴えた。
「どれだけ世間の風圧が強くても、どれほど自分たちが少数派であっても、正しいと信じることは決して曲げない。それが自分に不利益をもたらすかもしれないとしても、しっかり声を上げる、空気なんて読まない、忖度もしない。そういう人たちの存在がね、たとえ少数ではあっても僕らの社会には必要なんですよね」
村上さんは続けて、故ジャニー喜多川氏による性加害問題についても番組で触れ、「最近のジャニーズ問題の報道とかを見ていて、勇気を出して声を上げることの大事さを改めて痛感させられました」との見解を述べた。
これまでにも、様々な社会問題に対して自身の考えを表明してきた村上さん。
6月のラジオ番組では、明治神宮外苑の再開発計画に関し、「個人的に強く反対しています」などと明確な立場を示した。
プロ野球ヤクルト・スワローズのファンとしても知られ、東京にいる時は神宮球場の近くに住み、ランニングをよくしていたというエピソードを番組で明かした。
その上で、「緑あふれる気持ちのいいあの周回ジョギングコースを、そして素敵な神宮球場を、どうかこのまま残してください。一度壊したものってね、もう元には戻りませんから」との思いを語っていた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「声を上げることの大事さを痛感」村上春樹さん、ジャニーズ問題に言及