SDGsの年限である2030年が迫り、大手企業でも、社会問題や環境問題の解決への取り組みが加速している。
三菱グループの大手総合電機メーカーの三菱電機は11月、同社として初めてグリーンボンドを発行することを発表。本社債の発行に関する訂正発行登録書を関東財務局長に提出した。
グリーンボントとは?
グリーンボンドとは、環境問題の解決に資する事業(グリーンプロジェクト)に要する資金を調達するために発行する債券のこと。
三菱電機が本社債の発行により調達する資金は、大幅な省エネ化を実現するSiCパワー半導体の新工場棟(2026年4月稼働予定)の建設や生産設備の増強などに充当するという。
グリーンボンドの発行にあたり、同社グループは「三菱電機株式会社 グリーンボンド・フレームワーク」を策定。
国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則2021」や、環境省「グリーンボンドガイドライン(2022年版)」が定めた4つの要素(1 調達資金の使途、2 プロジェクトの評価と選定のプロセス、3 調達資金の管理、4 レポーティング)に関する方針などを記載した。また、第三者評価機関であるR&Iより、セカンドパーティ・オピニオンを取得している。
SDGs達成とその先へ。三菱電機が掲げる「環境ビジョン2050」
同社グループでは、サステナビリティを経営の根幹に位置づけており、事業を通じてSDGs達成への貢献をはじめとした社会課題の解決を推進している。
2050年を見据えた長期環境経営ビジョン「環境ビジョン2050」のもと、「大気、大地、水を守り、心と技術で未来へつなぐ」を「環境宣言」として掲げている。
SDGsの年限である2030年度までに、工場・オフィスからの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、その後2050年度までには、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量実質ゼロを目指している。また、カーボンニュートラルの実現に貢献する事業の創出・拡大にもより注力していくという。
グリーンボンドやESG投資など、企業や経済においても、SDGsの達成や持続可能な社会づくりの重要性は日に日に増している。
三菱電機をはじめ、今後も各分野で実装されていくであろう取り組みや、他業界同士の連帯に注目が集まりそうだ。
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三菱電機が「グリーンボンド」を初発行。どんな事業のために?SDGs達成に向けて前進