「どこにも繋がっていない橋」にルート案内され車ごと転落。溺死した運転者の遺族がグーグルを提訴

亡くなったフィリップ・パクソンさん(右)

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アメリカ・ノースカロライナ州に住む男性が運転する車で崩れた橋に進入し、落下後に溺れて亡くなったのは「グーグルマップ」が更新されていなかったためだとして、遺族が提供元のグーグルを訴えた。

家族側の弁護士事務所が発表し、CNNなど大手メディアが相次いで報じている。

発表によると、悲劇が起こったのは2022年9月30日の深夜。2人の子どもの父親だったフィリップ・パクソンさんは一家でフロリダ州からノースカロライナ州ヒッコリーに引っ越したばかりだった。新しくできた友人家族の自宅で、お互いの子どもの合同誕生会を開いた帰り道のことだった。

パクソンさんは、子どもと妻を先に帰宅させ、パーティーの後片付けを手伝ってから自宅へと向かった。その際、まだ道に不慣れだったパクソンさんはグーグルマップの案内に従ったとされている。

だが、グーグルマップは更新されていなかったため、パクソンさんがルート案内された先は、地元の人たちが「どこにもつながっていない橋」と呼んでいる橋だった。パクソンさんは車で進入し、小川に転落して溺死した。

転落してひっくり返ったパクソンさんの車

家族側の弁護士によると、橋が崩落したのは2013年。訴状では、パクソンさんのように誤って誘導された運転者はほかにもいたとし、グーグルに対して地元の住人らが橋につながる道に「閉鎖」と記載するなど求めていたが要望は応えてもらえなかったと主張している。

また、橋の管理者には補修や柵をつくり、安全が確認されるまでは注意書きをするように求めていた。

パクソンさんの妻は提訴後、「娘たちから父親がどうやって、どんな理由で死んだのか聞かれますが、理解してもらえる言葉が見つかりません。大人の私でも、GPSによるルート案内や橋の管理に責任を持つべき人たちが、人間の命にどうしてこんなにも配慮を怠るのが理解できません」と話している。

グーグルの広報担当者はガーディアンの取材に、「パクソンさんの家族には深い哀悼の意を表します。私たちは地図上で正確なルート情報を提供することをめざしており、この訴訟については内容を確認しているところです」との談話を出している。 

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「どこにも繋がっていない橋」にルート案内され車ごと転落。溺死した運転者の遺族がグーグルを提訴

Akari Omura