1: 通りすがりのコメンテータ習氏の外遊そのものも激減している。新型コロナウイルス流行前の2019年まで、習氏はおおむね年10回以上の外国訪問をこなしていたが、今年はわずか2回。現時点で年内に予想される外遊は、11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のみ。昨年末にゼロコロナ政策を解除した後、今年1月の秦剛外相(当時)によるアフリカ訪問を皮切りに、高官の外遊が「正常化」しているのとは対照的だ。
習氏が今年訪れたロシアと南アフリカはいずれも中国との関係が良好だ。これに対し、G20が開かれるインドは中国と国境紛争を抱える。中国の覇権主義的な動きを批判する日米や欧州連合(EU)などがG20に参加していることも欠席を選んだ背景にありそうだ。
一方で、習氏は外国要人の来訪を積極的に受け入れている。昨秋以降、中国側の招きによって、ドイツのショルツ首相やフランスのマクロン大統領をはじめとする西側の要人が相次ぎ訪中。米国も今年6月以降、ブリンケン国務長官ら4人の高官を中国に派遣した。中国の官製メディアは、こうした動きを「諸外国からのラブコール」として報道。「習氏の影響力の大きさ」を表すものとして、国内向けに宣伝している。
中国政治に詳しい北京の識者は「体力を消耗する外遊は、習氏の長期体制にとってリスクになりかねない」と指摘する。習氏はすでに70歳。健康不安は伝えられていないが、今後、重要な国際会議でも、李強首相や王毅共産党政治局員兼外相らに任せる場面が増える可能性がある。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023090500880&g=int
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