候補者公募は「ブラックボックスで決まった」自民党本部の方針に大阪の元衆院議員たちが抗議
[2023年7月4日17時32分]日本維新の会の躍進で苦境に立たされる自民党大阪府連をめぐり、党本部が次期衆院選に向けて、落選中の衆院小選挙区支部長がいる中で新たに「公募」を実施する方針を決めたことに対し、現支部長(公認候補予定者)の元衆院議員6人が4日、党本部で幹部と面会し、公募決定の経緯などについて抗議した。
公募対象の選挙区の1つとなっている大阪4区の中山泰秀元外務副大臣は、面会後の取材に「なぜ公募を今更しないといけないのかというのがいちばん大きな疑問点だ」と指摘。昨年10月14日に、党本部から支部長の再任決定の書面を交付されているとし「大阪府連を立て直したいという思いは党本部と全く同じ。私たちはむしろ先取りしてやり始めている」と主張した。
この日6人が面会したのは、茂木敏充幹事長、森山裕選対委員長。中山氏は、前回衆院選で落選した支部長の中で、自身より惜敗率が下回る支部長が公募の対象から外れているとして「理解に苦しむ」と指摘。茂木氏、森山氏からは「総合的にいろんな指標を勘案した」との立場が示されたというが、具体的な説明や理由がなかったとして「いきなりブラックボックスの中で支部長の公募が決まった」と、党側の対応を批判した。
近く始まる公募には、現支部長の応募も可能なため「今日、ここに来た6人は全員が公募に応募をすることで、心を一にしている」と述べ、自身も含め公募に応募する考えを示した。
また「私は最初から自民党でずっとやってきた。初めて戦った相手は新進党だったが、今、維新が強くなり、当時の新進党をみているような感じで、与野党からボロボロ政党を移りゆくカタツムリやヤドカリのような政治家を見ていて、政治家は一本筋を通すべきだと。自民党は懐が深く、他党から来ても出世できる度量のある政党と思うが、生粋の自民党として、なぜ再公募の対象にならないといけないのか」とも訴えた。
自身が2014年衆院選の大阪4区で勝利した際、破った相手が、国会議員時代の吉村洋文大阪府知事だったことに触れ「日本の衆院選で吉村さんに勝ったのは私だけしかいない」「私たちは、維新のなんたるかを細かい点まで分かっている」と訴えた。
前回衆院選で、自民党は大阪の19の小選挙区で1議席も獲得できず、4月の統一地方選でも大阪維新の会に惨敗した。今回の公募の措置は事実上の候補者差し替え。党側は、党勢回復に向けて、若手や女性の積極的な登用を念頭に、公募を行う方針。
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