もっと読む:「ジャニー氏からの性的行為」告発会見、海外メディアはどう報じた?
元「ジャニーズJr.」のカウアン・オカモトさんが「ジャニーズ事務所」の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年死去)から「性的被害を受けた」と記者会見で告白した1週間後の4月19日、一部のジャニーズファンからなる団体が、事務所に対応を求める署名活動をスタートした。
オカモトさんの記者会見の内容は、これまで沈黙を貫いてきた多くの大手メディアが相次ぎ報じ、ジャニーズ事務所はその後、一部メディアの取材に「ガバナンス体制の強化等への取り組み」を引き続き進めるといったコメントをした。
朝日新聞デジタルによると、事務所は21日、取引先企業に対し文書を送付。「メディアでの報道、告発等については真摯に受け止めております」とした上で、社員や所属タレントに聞き取り調査を行ったことや、相談窓口の設置準備を進めていることなどを報告した。
しかし文書は利害関係にある取引先に対してであり、被害者やファン、社会に対するものではなく、公の場では未だに何の説明もないままだ。
こうした状況に疑問を持った一部のジャニーズファンが立ち上げたのが、「PENLIGHT (ペンライト)ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」だ。会の名称「ペンライト」には、性暴力被害を訴えられず暗やみの中にある人たちに光があるように、との願いが込められているという。
以前から「ジャニオタ」(ジャニーズ所属タレントのファン)だという発起人の20代の女性は、ジャニー喜多川氏による性加害についての噂はこれまでも聞いたことがあったものの、深く考えていなかった、とハフポストに語った。しかしオカモトさんの告発後は、自分の好きなジャニーズのタレントを応援し続けながらも「おかしいことはおかしい」と訴えたいという思いから、不買活動などではなく、同じ気持ちを共有するファンの友達と共に署名活動を開始したという。
活動に賛同する声が上がる一方で、ジャニー喜多川氏が故人であることなどから署名に反対する意見もある。
しかし、ファンの中で一番多い反応は「沈黙」だと発起人の女性はいう。ファンたちは、自分が声を上げることで担当のタレントに迷惑をかけてしまうのではないかなどと懸念し、複雑な思いを持っているのだろうと女性はみる。
「私もファンの1人ですので、声を上げることができない状態はすごくよくわかります。担当を応援したいという気持ちと、声を上げることで担当の迷惑になるんじゃないかとか、活動を制限することになるんじゃないかという不安はみんなあると思う」
その上で、女性は「みんなで声を上げていけば、ジャニーズ事務所(の対応)がおかしかったとか、それをきちんと報じないメディアがおかしい、というふうに変わっていくと思います」と語る。「匿名でも恐れずに一緒に声を上げていってほしい」
同団体はジャニーズ事務所に対し、「性加害の検証と謝罪を求める」とし、具体的には以下の対応を求めている。
1. 性暴力被害者の声に誠実に耳を傾けてください。
2. ジャニーズ事務所として、第三者委員会等を設置し性加害の検証・実態調査を行ってください。
3. 性暴力被害を訴えた方々に対し、事実を認め謝罪してください。
4. 性暴力被害者がトラウマの影響から回復するために適切な支援を行ってください。
5. 今後、性暴力被害を生まないための再発防止措置を具体的に定め、実行してください。
オンライン署名プラットフォーム「Change.org」で募っているこの署名活動は、4月26日午後5時時点で4000人以上の賛同者が集まっており、5月8日ごろまで実施される予定だ。
同団体はまた、ジャニーズファンの声を匿名で募集し、意見を可視化する取り組みも進めている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「ジャニーズは性加害の検証を」。ジャニオタが事務所に対応求める署名活動をスタート