これまでの経緯はこちら>>ムーミンがロシアから消える。ウクライナ戦争を受けて商品展開を中止
フィンランド発祥の人気キャラクター「ムーミン」がロシアでの商業展開を中止し、世界的な話題となっている。生前、反戦漫画などの活動をしていた作者のトーベ・ヤンソンさんの遺志を尊重したという観測もあったが、ハフポスト日本版の取材に対して、著作権管理会社の責任者は「今回の決定は、EUの輸出禁止措置と現在の経営陣の意見と希望を反映したものです」と明確に否定した。
ムーミンのロシア撤退は、3月24日からモスクワ市内のショッピングモールで開催予定だった子ども向けイベント「ムーミン春祭り」が急きょ中止されたことで判明した。
英紙「i」によると、ムーミンの著作権を管理するフィンランドの会社「ムーミン・キャラクターズ」は、ウクライナ侵攻が始まった2022年春以降、ロシアでのムーミンに関する新規契約も、契約の更新も許可していなかったという。
■ムーミン・キャラクターズの責任者との一問一答
ハフポスト日本版はムーミン・キャラクターズの最高責任者、ロレフ・クラクストロームさんにメールで取材。3月31日に回答があった。一問一答は以下の通り。
―― 3月24日からモスクワで開催される予定だった「ムーミン春祭り」が中止になりました。これは貴社が許可していないイベントであり、弁護士を通じて中止を要請したという報道は事実でしょうか?
その通りです。
――「ムーミン春祭り」は、ロシアでムーミンのライセンスを持っていたエージェントの許可を得ていましたが、この機関へのライセンスはすでに終了していたということでしょうか?
いえ、そのような事実はありません。「春祭り」がライセンスを取得しようとしたことはなく、完全に無許可でした。
――貴社は現在、ロシアでムーミンキャラクターのグッズや出版物、映像などの商業展開を許可していますか?
いいえ、全くしていません。
―― 貴社がロシアでのライセンスポリシーを変更したのはいつですか?
2022年の春のことです。私の記憶では同年4月に正式決定しました。
―― ロシア軍のウクライナ侵攻を受けた決定でしょうか?
そうです。
―― 『ムーミン』の作者、トーベ・ヤンソンさんは反戦漫画でも知られています。彼女の遺志を尊重した決定ですか?
トーベ・ヤンソンは2001年に他界しています。今回の決定は、欧州連合(EU)の輸出禁止措置と現在の経営陣の意見と希望を反映したものです。
―― ロシアのウクライナ侵攻が終われば、この方針は変わりますか?
それに関して言及するのは時期尚早です。もし、そういった事態になれば再検討するでしょう。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ムーミンのロシア撤退、作者のトーベ・ヤンソンとは無関係。著作権管理会社の責任者が回答