東京五輪・パラリンピックを巡り、大会運営の中軸を担った広告最大手の電通が25日、汚職事件に続き、独禁法違反容疑で東京地検特捜部などの家宅捜索を受けた。会場運営委託費は新型コロナウイルス対策費も含めれば300億円近くと巨額だ。足掛かりとなったテスト大会計画立案業務の入札談合を電通が主導したとみられ、五輪利権に再び捜査のメスが入った。
「電通さんが一手に引き受け、『丸抱え』というのが常識だった」。広告大手の元幹部は談合疑惑が浮上した際、こう証言した。電通OBの一人も「必要悪と言うと語弊があるが、こうしたビッグイベントはノウハウを持つ電通が介在しないとうまくいかない」と話す。
電通はスポーツ分野で「1強」。五輪では招致段階から日本オリンピック委員会(JOC)に社員を出向させ、汚職事件で逮捕、起訴された大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)とともに司令塔的役割を演じた。2014年発足の組織委にも社員を大量出向させ、専任代理店のコンペでは「スポンサー料収入の最大化」を唱え、博報堂との一騎打ちを制した。
スポンサー料収入の確保と並び、課題となったのが会場運営だ。東京五輪は過去最多の33競技339種目、パラ大会は22競技539種目が実施され、本番さながらの環境で課題を洗い出すテスト大会が重要視された。「各社協力して大会を成功させよう」。広告代理店やイベント会社などの業界団体の会合でこうした話も出たという。
テスト大会の計画立案業務は競争入札だったが、各社がこれまで手掛けたスポーツ事業の実績通りの受注結果だった。汚職事件で捜査対象となったADKマーケティング・ソリューションズ(旧アサツーディ・ケイ)が公正取引委員会に自主申告したことで受注調整が明るみに出たが、関係者は「2番手、3番手で駆け込む社もあるだろう」と話している。
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【悲報】電通のビッグイベント丸抱えは、独占禁止法にも談合にも当てはまらない