サッカーのカタールワールドカップで、11月21日にイランとの初戦を迎えるイングランド代表が、試合前に人種差別に抗議する片膝をつく仕草をすると表明した。ガレス・サウスゲート監督が明かしたとイギリスメディアが報じている。
BBCによると、2020年のジョージ・フロイドさん事件の後、イングランド代表は黒人への人種差別に抗議する片膝をつくジェスチャーを続けてきたという。2021年夏のヨーロッパチャンピオンシップでも、全ての試合前にこのジェスチャーをした。
イギリスのプレミアリーグでは2019-20シーズンの途中から続けているが、選手からも形骸化していると指摘され、現在は節目や特定の試合前に限定して行われている。
サウスゲート監督はプレミアリーグでの変遷にも触れながら「このジェスチャーは、私たちがチームとして長い期間示したきたものだ。インクルーシブがとても重要であるという、世界中の若い人たちに届く力強い表明になる」と語っている。
今大会、同性愛を犯罪と見なしていることなど、カタールの人権問題が指摘されている。
BBCによると、多様性と包括性を推進するため、イングランドのハリー・ケインらヨーロッパの複数チームの主将が大会の開幕前、「ONE LOVE」と書かれたレインボー柄のキャプテン腕章を着用することを表明。腕章は反差別やLGBTQ権利擁護のシンボルとされており、イングランドサッカー協会(FA)がFIFA側に「腕章を着けて出場可能か」を確認した。ガーディアンによると回答は届いていないという。
FIFAのルールでは、チームの用具に政治的、宗教的、個人的なスローガン、ステートメントや画像を載せることは禁止されている。
FIFAは11月19日、全チームの主将に対して「Football unites the world」(サッカーが世界をひとつに)などといった別の社会的メッセージの腕章を着用するよう要請した。
FIFAからレインボー腕章の着用は認められていないが、「イングランドとウェールズは(腕章着用の代わりに)罰金を受け入れるという立場だ」とBBCは報じている。
ロイター通信によると、ドイツやデンマークの両主将も同じ19日、レインボー腕章を着用すると発表した。
イングランドのケイン主将はSKY NEWSの取材に対して次のように答えている。
「チームや組織としてONE LOVEの腕章をつけたいということを明確にしたと感じている。協会がFIFAと話してくれていると理解しているので、明日の試合の時間までに結論が出るだろう。私は腕章をつけたいということを明確に示したと思っている」
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
イングランド「試合前の片膝つく行為」を表明。LGBTQ連帯のレインボー腕章は着用できるのか【カタールW杯】