Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズは11年以上前に他界しましたが、その知名度や影響力はいまだに大きなものです。最近では、AIを利用し、ジョブズと著名ポットキャスターであるジョー・ローガンのインタビューを実現するというプロジェクトが行われています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Appleinsider ,Cult Of Mac ,Ars Technica
架空のインタビューに出演する「スティーブ・ジョブズAI」はどのようにして生成されたのか?
このプロジェクトは、全て人工知能(AI)にポッドキャストを作成させているPODCAST.AIが行ったものです。公開されたポッドキャストは、ジョブズとローガンの声も、その反応も、全てが全体が人工知能によって生成されています。
「これは、音声合成における我々の進行中のプロジェクトだ」と、開発者の一人は海外掲示板Redditに書き込んでいます。このチームは、スティーブ・ジョブズとジョー・ローガンの声を「声のクローニング技術」を使って作成したそうです。
内容については、スティーブ・ジョブズの伝記で微調整したあと、GPT-3を使ってテキストを生成したとのこと。GPT-3はOpenAIが開発した精度の高い言語AIです。このAIはディープラーニングを使い、ジョブズの台詞を含んだ人間らしいテキストを生成することができます。
このポッドキャストを取り上げたテック系メディア「Cult Of Mac」は、ジョブズのAI生成音声が、一部には疑問が残るものの「不気味なほど本物らしく聞こえることに同意できる」と指摘しています。ただし、ポッドキャストで語られる意見はどれも、ジョブズらしさは薄れているようです。
ポッドキャストでAIジョブズは、東洋の神秘主義の重要性、LSDについての考え、Google、イノベーションなどについて語っています。海外メディア「Ars Technica」によれば、この中には、ジョブズがよく話していたことをミックスしたような架空のインタビューが出てくるとのこと。
例として挙げられたのが、AIで生成されたジョブズがマイクロソフトを批判している部分。AIジョブズは「これが、私がいつもマイクロソフトに抱いている問題点だ」と語り「多くの点で、彼らは賢い人たちだし、いい仕事をしてきた。でも、センスがない。美的センスがないんだ」と批判しています。
これについて「Ars Technica」は、本物のジョブズが1995年の「Triumph of the Nerds」のインタビューで語ったものと非常によく似ていると指摘。ただし、完全なコピーではなく、両者を比較すると声が合成されていることがわかるそうです。
ポッドキャストで再生されているジョブズの声は確かに本人によく似ていますが、どことなく違和感があって不気味なのも確かです。とはいえ、今後言語AIや音声合成AIの技術が進めば、本人とも全く見分けがつかなくなるのかもしれません。
当然ながらポッドキャストの内容は英語ですが、このスティーブ・ジョブズとジョー・ローガンのポッドキャストはこちらから視聴することができます。
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AIでスティーブ・ジョブズを「復活」させてしゃべらせるポッドキャストが不気味すぎる