『イングリッシュ・ペイシェント』での名演で知られるジュリエット・ビノシュさんら50人以上のフランスの俳優やアーティストたちが、カメラの前で髪の毛を切った。亡くなったイランの女性に連帯し、イラン当局に抗議するためだ。
この抗議は、22歳のイラン人女性マフサ・アミニさんが、ヒジャブのかぶり方を理由に逮捕された後に死亡したことを受け、世界各地に広がっている。
インスタグラムアカウント「soutienfemmesiran(イランの女性を支援する)」が10月5日、50人以上が髪を切る動画を投稿。そのトップバッターはビノシュさんだった。
BGMはイランの歌手Gandomがカバーした、イタリアの反ファシスト曲「さらば恋人よ(Bella Ciao)」だ。
キャプションには「マフサさんが9月16日に死亡してから、イランの人たちは女性主導で、命を危険にさらしながら抗議しています」と書かれている。
「彼らが望むのは、最も基本的な自由だけです。これらの女性、男性たちは、私たちに支援を求めています。彼らの勇気と尊厳は、私たちを突き動かします」
「このひどい抑圧を、繰り返し非難しないわけにはいきません。子どもを含む何十人もの人々が死亡しています」
「私たちは髪を切ることで、投げかけられた要求に応えることにしました」
マリオン・コティヤールさんは、自身のインスタグラムにも動画を投稿しており「今この瞬間に、世界を変え、自由のために闘っている勇敢なイランの女性や男性のために。私たちはあなたを支持します」とコメントした。
他にもシャルロット・ゲンズブールさんやイザベル・アジャーニさん、ベレニス・ベジョさんなども、髪を切って連帯を表明した。
抗議するイランの人々が求めているもの
アミニさんは9月13日、ヒジャブでしっかり髪を覆ってなかったという理由でイランの道徳警察に逮捕され、3日後に死亡した。
警察は、アミニさんは「再教育センター」に送られた後で心臓発作で死亡したと発表。しかし同施設に収監されていた人々は、アミニさんが拘留中に激しく殴打されたのを見たと証言している。
アミニさんの死後、イランでは多くの女性たちがヒジャブを燃やし、髪を切って抗議。その姿がソーシャルメディアに投稿され、抗議は世界各地に広がった。
さらに、国連人権事務所は9月20日、この問題の調査と、女性に対する「組織的な迫害」の停止をイランに求めた。
一方、イラン当局はデモ参加者を武力で押さえ込もうとしている。NPO「イラン・ヒューマン・ライツ」は、10月4日時点で少なくとも154人がデモの最中に死亡したと発表した。このうち少なくとも63人が、南東部のザヘダンのデモで殺されたという。
「イラン人権センター」のハディ・ガエミ事務局長は、「今回、デモ参加者たちは、マフサ・アミニさんに対する正義を求めているだけではありません」と、CNNに話している。
「彼らは、女性の権利、市民権と人権、そして宗教的独裁のない生活を求めているのです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
ひとりひとりが、サステナブルな地球環境の中で、自分らしく生きていくためにーー。
ハフポスト日本版は「SDGs」「多様性」「働き方」の三つのテーマを大きな柱としています。時事ニュース、企画特集や個人の声を拾い上げるオピニオンなど多様な記事を発信し、ハフポストの記事から会話を始めること、多くの関係者と協力しながら社会問題を解決することを目指していきます。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
自ら髪を切ってイラン女性に連帯。ジュリエット・ビノシュさんら、50人以上の仏俳優ら【動画】