セ・パ両リーグで優勝やクライマックスシリーズ進出チームが決まった日本プロ野球。10月20日には2022年のドラフト会議が開かれる予定だ。一方で、レギュラーシーズン終了とともに自由契約となった選手の情報が各球団から発表されている。
その中で、注目を集めた選手がいる。北海道日本ハムの速水隆成選手だ。球団は10月4日、同選手の現役引退を発表した。SNSで反響があったのは、同選手がドラフト会議での指名から“わずか1年”で自ら引退を選択したからだった。
1年で引退を決意。速水隆成選手とは?
北海道日本ハムは4日、速水選手の今シーズン限りで現役を引退を発表。引退は速水選手からの申し入れで、これを球団が承諾したという。
速水選手は1997年7月28日生まれ。ポジションは捕手で、群馬県の名門・桐生第一高校から群馬ダイヤモンドペガサスを経て、北海道日本ハムファイターズに2021年の「育成ドラフト2位」で指名され入団した。
身長188cm・体重100kgと選手として恵まれた体格を生かしたプレーで将来を期待されていた。
1軍の試合に出場できる支配下登録をされておらず、育成選手ではあるものの、ドラフト指名から1年経っていない選手が自ら進んで引退を選択するケースは非常に珍しい。
「一年勝負と覚悟を決めて…」
NPBの現役若手選手の66.1%、将来が「不安」
実は、NPB日本野球機構は公式サイトで現役の若手選手への「セカンドキャリア」に関するアンケート結果を公表している。2021年のデータを見ると、引退後の進路についての設問で「引退後の生活に不安を持っているか」という質問に「不安がある」と答えたのは66.1%。
その中で「不安な要素は何か」という質問に対しては、「進路(引退後、何をやっていけばいいか?)」が82.9%、次いで「収入面(生活していけるか?)」が53.7 %だった。
「引退後どのような仕事をしてみたいか」という設問では、会社経営者が19.9%、高校野球の指導者が18.3%だった。引き続き野球に携わりたいという考えよりも、会社経営への意欲がわずかに上回っていた。
近年ではプロ野球選手は現役を引退した後、野球を離れて別の道に進み、活躍している人もいる。速水選手は具体的な将来を明かしていないが、“セカンドキャリア”の可能性が広がりつつある今、速水選手の選択は尊重されるべきだろう。
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ドラフト指名から「1年」で引退。北海道日本ハムの選手の決断に反響。NPBの“データ”から見えたのは将来への不安だった