多民族国家であるアメリカは、信教と言論の自由を前面に押し出す社会であるため、宗教に対して国家的制約がかけづらい。そのためカルトの温床になってきたという歴史がある。
とりわけ衝撃的な事件が、1978年11月に起こったキリスト教社会主義「人民寺院」918名の集団自殺だ。同教団は心霊治療と教祖の透視によるオカルティズムで勢力を拡大。サンフランシスコ市長選などに影響を及ぼしただけでなく、カーター政権への接近も囁かれていた。
「人民寺院に対する調査団への襲撃、そして集団自殺という忌まわしい事件が起きるまで、アメリカでは彼らのカルト性について何も報じられていませんでした。
カルト教団の教義を唱えたり、それを信奉する人は社会の非主流派だけれども、信教の自由はあるのだから無視しておこうと決めこんでしまったのです。私たちの無関心がカルトの悲劇を引き起こすのです」
JFKの甥であるマクスウェル・ケネディ氏はこう明かす。
アメリカでは、以後もカルトが引き起こす大量殺戮が起きている。’93年、終末思想を唱えてFBIと銃撃戦を繰り広げた「ブランチ・ダビディアン」、’97年のヘール・ボップ彗星接近を契機にして38名の集団自殺を起こした「ヘヴンズ・ゲート」などがあげられる。
そして安倍氏の暗殺後、旧統一教会のアメリカでの活動も改めて注目されるようになった。
その原因には、ドナルド・トランプ前大統領が旧統一教会系団体UPF(天宙平和連合)主催のイベントで安倍氏とともに祝福のビデオメッセージを送っていたことがあるだろう。同団体は、8月12日に文鮮明没後10年のイベントをソウルで行い、この席で安倍氏追悼ビデオを発表。トランプ氏も懲りずにメッセージを送って、韓鶴子総裁を称えているのだ。
カルトの巧妙な手口
「旧統一教会系団体は、まだそれほどアメリカ国内で大きな影響力を持ってはいません。しかし、気になることがあります。私は幼少期、ワシントンDCで育ちました。かの地には『ワシントン・ポスト』と『イブニング・スター』という2つの新聞がありましたが、’82年から旧統一教会が新たな新聞を発行し始めました。それが現在も続く『ワシントン・タイムズ』です。
一見普通の新聞に見えますが、読み始めると私にはかなりの違和感がありました。同紙が旧統一教会の影響下にあることは私には明白でしたが、気がつかない人もいるかもしれません。
彼らは有力紙『ニューヨーク・タイムズ』と『ワシントン・ポスト』から名前をとって、さもクオリティペーパーのように見せかけています。
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