安倍晋三元首相の銃撃事件に関連して、宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)が8月10日、日本外国特派員協会で会見を開いた。
事件の容疑者が「特定の宗教団体に恨みがあり、安倍元首相がこの団体と近しい関係にあると思い、狙った。母親が団体にのめり込み、多額の寄付をするなどして、家庭生活がめちゃくちゃになった」などと供述していることから、政治とのつながりが注目されている旧統一教会。
田中富広会長は「政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実です」とした上で、「共産主義問題に対して明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとは、ともにより良き国作りに向かって手を合わせてきたと思っております」と述べた。
◆岸田首相の距離を置く指示は「誠に遺憾」
会見では、岸田文雄首相が8月8日の自民党の臨時役員会で、党所属議員に対し、旧統一教会との関係を点検し、見直すよう指示したことへの見解が問われた。
田中会長は「このたびの政権の判断がどのような深い意図があるかまでは、私たちが言及する立場ではありませんが、当法人との関わり方が強く判断の基準に定められたというならば、それはすごく残念なこと」との見方を示した。
「多くの今日のメディア報道を通じながら、その報道に揺れる世論に対しての気遣いもまた介入していたという風に否定することはできないと思いますので、その点においては、誠に遺憾に思っております」と述べた。
◆姿勢を持って政治に関わってきたことは事実
安倍晋三元首相の銃撃事件以来、与党・自民党をはじめとする政治家と、旧統一教会や関連団体との関わりが次々に明らかになっている。
こうしたつながりから、性的マイノリティの人権問題や夫婦別姓、憲法改正といったトピックについて、団体側が日本の政治に影響を与えてきたのではないかとの指摘もある。
これについて田中会長は「影響を与えてきたかということは客観的に、多くの皆様方に判断していただいた方がいいかと思っておりますが、政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実です」と政治との関わりを認めた。
その上で関わりの意味について、「政治工作のためや、あるいは脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたということではありません」とした上で「私たちの法人並びに多くの友好団体は創設以来、共産主義というものに対して明確に対峙してきました。したがって、多くの民主主義を守ろうとする同志たちとともに、あるいは友好団体とともに、私達は日本のあるべき姿に向かって、常に考えながら今日まで方向を共に歩んできました」と説明。
「今メディアで私達の友好団体と、あるいは当法人と政治家が関わったか関わらないかが問題視されておりますが、むしろ私たちから見れば、共産主義問題に対して明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとは、ともにより良き国作りに向かって手を合わせてきたと思っております」と明言した上で、こう述べた。
「日本国内のみならず世界的なネットワークの中で、コミュニズムに対して、共産主義に対して取り組みを連携をとりながら進めております。そういう意味で、多くの政治家の皆様方が同じ平和世界を構築するならば、このコミュニズムと対峙する姿勢とともに、私達は一緒により良き国作りをしていきたいという志でおります」
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
旧統一教会トップ、政治家と友好団体の関わりを認める。「より良き国作りに向かって手を合わせてきた」