Appleに修理の依頼をすることなく、iPhoneの「背面ガラス」を取り外す方法があります。
ただ、背面ガラスを取り外すためには「ある機械」を使用する必要があります。その機械について、海外YouTubeチャンネル「JerryRigEverything」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:JerryRigEverything,Apple
iPhoneの背面ガラスを取り外す「レーザー」の性能とは?
iPhoneの背面ガラスは、修理は非常に難しい部分です。Appleでさえ「iPhone X」の背面ガラスの修理に550ドル(約74,000円)、「iPhone 11」と「11 Pro」の背面ガラスの修理に600ドル(約80,000円)の請求をしています。
なぜ、そのような高額な費用がかかるかというと、Appleの背面ガラスの接着剤が永久的なものだからです。現在このような接着剤を使っている企業は珍しく、ほとんどのメーカーは、熱を加えると溶けてしまう接着剤を使っています。
もしも簡単に背面ガラスを取り外せば、20ドル(約3,000円)ほどで携帯電話全体を修理することができます。つまり、Appleは背面ガラスを取り外すことが大変なため「iPhone 11」の背面ガラス交換に600ドル(約80,000円)も請求しているということです。
第三者がこの背面ガラスを取り外すには、極端な温度にさらす必要があります。「JerryRigEverything」は、背面ガラスを取り外すために、極端な熱や液体窒素を使おうとしたこともあります。
ただ、より実用的で、より修理しやすく、背面ガラスを剥がす方法があります。それは、レーザーを使うことです。
この機械は、背面ガラスをフレームから切り離すことができる、レーザーマシンです。ガラスの上にある赤いレーザーは、携帯電話の金属フレームにレーザーを当てないように、携帯電話の位置を確認するためのものです。
また、レーザーは金属に負担を与えてしまうほど強力なため、ガラスの表面だけに照射するようになっています。幅広いレーザーに切り替わると、すぐにガラスの下を焼き始め、金属フレームからガラスを切り離すことができます。
もし、Appleがこの機械を導入すれば、修理代を安くすることができるでしょう。
レーザーがガラスの下のすべての接着剤を焼いているため、多くの煙がでます。ただ、この機械は、接着剤から出る煙を吸い上げ、フィルタを通して臭いを取り除くことができます。
この機械はRewaという会社のもので、付属のソフトウェアを使えば、主要なメーカーのスマートフォンにレーザーを当てることができます。
この機械には、iPhoneの「X」「XR」「8」のデザインがすでに機械にプリプログラムされています。そして、レーザーは画面の分離だけでなく、背面ガラスの分離も可能です。今回は「iPhone X」の背面ガラスを加工してみます。
レーザーで切り取る部分を選択し、iPhoneが正しい位置にセットされていることを確認したら「Markボタン」を押すだけでレーザーが照射されます。レーザーの照射は5〜10分程度で終了します。
ガラスの下にレーザーを照射すると、接着剤の大部分が除去されます。その後、フレームからガラスの破片を取り除きます。
レーザーは集光された光線であり、その集光された光エネルギーは、ある物体には吸収されますが、他の物体には吸収されないことがあります。レーザーはガラスをうまく通過し、ガラスの裏側にある接着剤や塗装に当たった途端、エネルギーが熱に変換されます。そして、その塗装や接着剤を燃やし始め、塵に変えてしまうのです。
そして、レーザーが、黒い部分だけを焼いていることがわかります。それ以外の部分は、ワイヤレス充電パッドのためのスペースと、底面に沿った部分などです。
しかし、これら部分には、ガラスパネルに固定するための接着剤がないため、背面ガラスの取り外しに影響はありません。
それでは、レーザーを当てたiPhoneがどうなったのかを確認してみましょう。
背面ガラスと本体のフレームの間に薄い金属製のこじ開けるツールを使って、背面からガラスを取り外すことができます。粉々になった塗料と接着剤が指に付着しているのがわかります。レーザーは文字通り、ガラスの下のすべてを灰にしてしまったのです。
しかし、ガラスに亀裂が入った部分は、レーザーが屈折してしまい、接着剤を焼き切ることができていません。そのため、背面ガラスを取り外すためには、さらにこじ開ける必要があります。ただ、この作業は極端な熱や液体窒素を使っていた時に比べると非常に楽です。
もし、iPhoneの背面ガラスが割れていない状態で、レーザーを使用していたら、もっと簡単に分解ができるはずです。
iPhoneの背面ガラスは、カメラレンズの下に配置されるように設計されています。カメラレンズは、フレームに溶接されているため、取り外すことは困難です。そのため、溶接されたカメラレンズの下から、ゆっくりとガラスを削り出す必要があります。
作業後はカメラレンズの下にフィットするサードパーティ製の背面ガラスを装着させます。
ただ「JerryRigEverything」は、カメラレンズの上からフィットする背面ガラスを購入することをお勧めしています。なぜなら、レンズを触ることなく修理を完了させることができるからです。
分解のプロではない人間でも、このレーザーマシンを使うことによって簡単にiPhoneを分解することができます。おそらく、普段からiPhoneを分解している人ならもっと綺麗に作業ができるはずです。ただ、この機械がiPhoneの背面ガラスの取り外しを簡単にしていることは間違いありません。
オリジナルサイトで読む : AppBank
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