気象庁は6月25日、関東や九州などの地域を対象に「熱中症警戒アラート」を発表しました。
対象となったのは、茨城県、埼玉県、鳥取県、大分県、鹿児島県の奄美地方、沖縄本島地方と八重島地方。ウェザーニュースによると、鹿児島と沖縄を除く地域は2022年で初めてといいます。
熱中症警戒アラートが出たらどうしたらいいのか。発表される基準や目的をまとめました。
熱中症警戒アラートとは、発表の基準と方法は?
熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際、危険な暑さへの注意を呼びかけ、予防行動を促すための情報発信です。
2020年7月から関東甲信越地方で試行され、2021年4月下旬から全国で運用が始まりました。
アラートが発表されるどうかは、「暑さ指数(WBGT)」の数値を基に決まります。この暑さ指数は「気温」「湿度」「輻射熱(ふくしゃねつ)※」などから推計される熱中症予防を目的とする指標で、「33以上」と予測された区域で発表されます。
※日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱のこと
乾球温度計、湿球温度計、黒球温度計による計測値を使って計算されています。当日を対象とするアラートは朝5時に、翌日を対象とするアラートは夕方17時に、それぞれ発表されます。
日常生活や運動における暑さ指数の指針は次の通りです。
▽日常生活
31以上:危険
28以上31未満:厳重警戒
25以上28未満:警戒
25未満:注意
▽運動
()内は参考気温
31以上(35℃以上)運動は原則中止
28~31(31~35℃)厳重警戒:激しい運動は中止
25~28(28~31℃)警戒:積極的に休憩
21~25(24~28℃)注意:積極的に水分補給
21未満(24℃未満)ほぼ安全:適宜水分補給
アラートが出たらどうしたらいい?
環境省の熱中症予防情報サイトで、予防行動の例が紹介されています。最も重要なことは「危険な暑さを避ける」ということです。
そのための行動例は次の通りです。
・不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する。
・熱中症のリスクが高い高齢者、子ども、障害者等に対して周囲の方々から声かけをする。
・身の回りの暑さ指数(WBGT)を確認し、行動の目安にする。
・エアコン等が設置されていない屋内外での運動は、原則中止または延期する。
・のどが渇く前にこまめに水分補給する(1日あたり1.2リットルが目安)など、普段以上の熱中症予防を実践する
「熱中症弱者」は特に注意を
熱中症搬送者の半数以上は高齢者(65歳以上)で、熱中症のリスクが高い人達は特に注意が必要です。他にも子ども、持病のある人、肥満の人、障害者などは、熱中症にかかりやすい「熱中症弱者」にあたります。
気象庁は、こうした人たちに向けて「こまめな休憩や水分補給(1日あたり1.2リットルが目安)を喉が渇く前から、より積極的に、時間を決めて行いましょう。また、外出も控えるようにしましょう」と呼びかけています。
また、気象庁は、アラートが発表された地域ごとに情報発信や注意喚起をしています。地域内の個々の地点で予測されるその日の最高暑さ指数などを発表していますので、お住まいの人は確認するようにしてください。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
熱中症警戒アラートとは。出たらどうしたらいい?日常生活や運動は?関東で2022年初発表