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Appleが52億円を「下取りiPhone」から稼ぎ出すカラクリ

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オランダには、Appleの極秘施設があります。この施設には「iPhoneを分解する」世界で初めてとなるロボットがあります。

このロボットがiPhoneを分解する意義について、海外YouTubeチャンネル「Mrwhosetheboss」が解説しています。




*Category:テクノロジー Technology|*Source:Mrwhosetheboss,Apple

ロボットは、どのようにしてiPhoneを分解するのか?


古いスマートフォンをゴミ箱に捨てることは、環境に良いとはいえません。焼却すれば植物や動物や人間に有害な有毒化学物質を空気中に放出し、埋めれば土壌汚染の原因になってしまいます。


そのため、Appleのような大手テック企業は、古いスマートフォンをただ捨てるのではなく、スマートフォンを回収し、リサイクルをすることによって材料を再利用しようとしています。

しかし、今のスマートフォンは信じられないほど複雑です。その上ほとんどの企業が、100種類ほどのモデルを作り、地域ごとのバリエーションがあり、あらゆる種類の材料でデバイスを作っています。そのため、すべてのスマートフォンに対応する効率的なリサイクルシステムを構築することは、ほとんど不可能です。

多くの会社が最終的に行うのは、バッテリーを取り出して、スマートフォンの残りの部分を細かくして、信じられないほど強力なハンマーで粉砕します。この作業をすることによって、いくつかの材料を回収して再利用することができます。


そして、一定の力で風を当てれば軽いものと重いものに分けることができますし、磁石で金属だけを引き付ければ金属と非金属を分けることができます。

しかし、ここで問題が発生します。1台のスマートフォンには、20種類もの金属が使われているため、メタルやアルミニウムやリチウムやタングステンなどを実際に分離することは難しいのです。


そのため、結局は不純な素材しか手に入りません。結果として不純な素材は、低品質の製品を製造するためにのみ使用されます。

そこで活躍するのが、Appleの全長10メートルのデイジーと呼ばれる巨大なロボットです。デイジーのアームを使えば、古いiPhoneを自動で解体し、より効果的に部品を採取することができます。


そして、このデイジーが通常のリサイクルプロセスよりも大きく飛躍している理由を説明します。

実際にiPhoneをこの機械に入れると、デイジーの4つのセクションを通過し、より細かく分解されていきます。


1番目のセクションでは、上部のカメラを使って、投入されたiPhoneの写真を撮ります。そして、それを内部のデータベースと照らし合わせて、どのモデルなのか、そしてどう扱うべきなのかを正確に把握します。

Appleは他の企業と違い、iPhoneに何百もの種類を作っていません。その上、どれも似たような部品を使っています。そのため、1台の機械で全てのiPhoneの分解ができるのです。

デイジーは、まず投入されたiPhoneに欠陥が無いかを調べます。そしてもし、本体が曲がっていたら、欠陥に応じてプログラムと分解方法を調整します。


2番目のセクションでは、-70度の冷気でバッテリーの周りの接着剤を凍らせます。そして、叩いてバッテリーを取り外します。なぜなら、電池のリサイクルをするためには、本体からバッテリーを取り外す必要があるからです。


3番目のセクションでは、機械を使って全部のネジを抜き取ります。デイジーは、iPhoneのどこにネジがあるかを正確に把握しています。


そして、4番目のセクションでは、マザーボードやスピーカーなどを仕分けしていきます。


この手順でiPhoneを分解することによって、高品質な材料としてリサイクルすることができます。デイジーを使えば、人間が分解するよりも、はるかに正確に分解することができるのです。


Appleは地球の環境を救うために、3つの重要な取り組みを行なっています。

1つ目は、スマートフォンは世界中の製造物の大きさに比べると、小さな機械のように見えます。しかし、スマートフォンは非常に高密度な製品のため、分解することで貴重な素材を得ることができます。

10トンのiPhoneを分解すると、相当な「金」を回収することができます。Appleのレポートによれば、本来2,000トンの岩石から得られる同じ量の金と銅を、iPhoneを分解することによって手に入れているとのこと。

Appleのリサイクルロボットによって分解されたわずか1トンのiPhoneの部品から、リサイクル業者は通常企業が2,000トンの採掘石から抽出する量の金と銅を回収することができます。

また、2016年の海外メディア「CNN」の報道では、「AppleがリサイクルされたiPhone、iPad、Macから、年間1トン以上の金を回収した」とされています。これには4000万ドル(約52億円)の価値があるとのこと。


また、デイジーは高速でiPhoneを分解することができます。15の異なるレーンにどのiPhoneが置かれているのかをカメラで把握し、適切な方法で分解します。そして分解にかかる時間はたったの18秒です。

そのため、オランダとアメリカの2か所に設置されたリサイクル機で、年間240万台のiPhoneをリサイクルしています。そしてこのリサイクル機であれば今よりもっと多くのiPhoneを分解することができます。


2つ目は、デイジーは常に更新され続けるということです。Appleは2013年に「iPhone 5s」を分解するリアムというリサイクルロボットを開発しましたが、リアムはネジを外す作業に12分もかかってしまいました。

しかし、リアム2.0に更新すると、桁違いのスピードで処理ができるようになったのです。ただリアム2.0は、1つのiPhoneのモデルしか処理できませんでした。


リアム2.0の経験を経て、デイジーは製造されています。デイジーは「iPhone 5」から「iPhone 12」までの、あらゆる機種に対応できます。そして、デイジーは情報をアップデートし続けることができます。

ただ、この240万台のリサイクル能力があったとしても、Appleの1年間のiPhoneの販売台数である2億台には遠く及びません。

しかし、ユーザーが古いiPhoneを返却し始めると、Appleはデイジーを増やすか、デイジーの次のバージョンを作成するだけで対応できるはずです。

そして3つ目は、Appleにはデイジー以外にもロボットを持っています。デイブというロボットは、振動を利用してエンジンを分解することができます。そして、タズというロボットは、携帯電話のスピーカーシステムからカメラのオートフォーカス機構などで使われている、レアメタルを回収することができます。


またAppleは、AirPodsを分解するだけのロボットも持っています。

オリジナルサイトで読む : AppBank
Appleが52億円を「下取りiPhone」から稼ぎ出すカラクリ

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