もともと「会いに行けるアイドル」として人気を得ていたAKB48は、現在もファンの多くが音楽やダンスに強い関心を持っていない。キャバクラをアイドルに適用させたとする向きも少なくないように、その“人気”の中心は音楽ではなくメンバー個々のパーソナリティとファンとの直接的なコミュニケーションにある。
実際、昨年9月発売の「根も葉もRumor」の初週CD販売数は40万枚弱だった。コロナ禍直前だった2020年3月発売の「失恋、ありがとう」と比較すると、3分の1程度にまで落ち込んだ。握手会を開けず、他の48グループのメンバーも参加していないので、ファンがCDを買う理由を見いだせないのは当然だろう。現在も、新型コロナは収束に向かいつつあるが、(一般論として)握手会の開催はおそらく当分不可能だ。
元IZ*ONEの本田仁美をセンターに据えた今回の「元カレです」は、間違いなくこうした閉塞状況からの打開策だ。握手会とCD販売を組み合わせた「AKB商法」から、音楽でファンを惹き付けようとする方向への転換である。つまり、やっと正攻法で勝負しようとしている。本田を中心としたのも、世界に広がっているIZ*ONEのファンを取り込むためでもあるのだろう。
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「AKB商法」破綻後の“音楽をちゃんとやるAKB48”って、誰が望んでるんだ?