コメディアンのクリス・ロック氏が、アカデミー賞授賞式での俳優ウィル・スミス氏からの平手打ちについて「報酬をもらわない限り話さない」という意向を示した。
ロック氏は4月8日、カリフォルニア州インディオで開催された自身のライブツアー「Ego Death World Tour 2022」に出演し、心配する観客に向かって平手打ち事件に触れた。
地元メディアのデザートサンによると、ロック氏はその中で「私は大丈夫です。自分のショーがありますし、それに報酬をもらうまでは、このことについては話しません」と発言。
さらに「人生は順調です。耳も聞こえるようになりました」と述べた。
ロック氏はこれまでも、この問題について詳細を語らない姿勢を見せてきた。
3月30日にボストンで開かれたライブでは「私自身は、それほどお伝えできるようなことはありません」と述べた上で、「今もまだ、起きたことを処理しています。そのことについて、いつか話す時がくるでしょう。それは真剣で、面白くなるはずです。しかし今は、ジョークを言いましょう」と、将来的に自身のネタとして話す可能性をほのめかした。
大問題になった平手打ち
3月27日に開催された第94回アカデミー賞授賞式での平手打ちは、世界各国で生中継され、大きな問題となった。
きっかけになったのはロック氏のジョークだった。同氏は、スミス氏の妻ジェイダ・ピンケット・スミス氏のスキンヘッドについて「ジェイダ、君の『G.I.ジェーン2』が待ちきれない」と髪型を揶揄するようなジョークを口にした。
これに腹を立てたスミス氏が、ステージに上がってロック氏の顔を平手打ちし、「妻の名前を口にするな」と叫んだ。
ジェイダ・ピンケット・スミス氏は、脱毛症を患っていることを公表しており、その苦しみや不安をSNSや自身のトーク番組「レッド・テーブル・トーク」で伝えてきた。
スミス氏はその後、映画『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞した際に、涙を見せながら平手打ちについて謝った。
さらに授賞式翌日には、ロック氏やアカデミーへの謝罪文を発表し、4月1日にはアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから退会した。
これに対し同アカデミーは8日、今後10年間スミス氏の授賞式への参加を禁止すると発表した。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
クリス・ロック、平手打ちについて「報酬をもらわない限り話さない」と宣言する