桜の開花が進み、各地で続々と満開を迎えています。東京の桜も3月27日に満開を迎えました。平年より4日早く、昨年よりは5日遅い満開です。
うっかり「見逃してしまった」ということにならないよう、桜が散るタイミングを知っておきましょう。「どうしてそんなことがわかるの?」と疑問に思われる方に、日本花の会研究員の小山徹さんから、ソメイヨシノの見頃と散り始めのサインを伺いました。
開花~散り始めまではどのくらい?
「地域によって差はありますが、一般的に開花(5~6輪の花が咲いた状態)から、満開(8割以上の花が咲いた状態)になるまでは、大体7~10日ほどです」(小山さん)
この間隔は北上すると短くなり、一般的に北陸・東北地方は約5日、北海道地方は約4日と言われています。
「その間に寒さが戻るなどすると、満開までの期間や散り始めまでの期間がやや遅れます。いうなれば、花が長持ちするのです」(小山さん)
逆に、雨や強風の影響を受けると、花は早く散ることになります。
中心部の色の変化が散り始めるサイン?
では、どうすれば満開のソメイヨシノが散り始めるタイミングを見つけることができるのでしょうか。
小山さんは、勝木俊雄先生(多摩森林科学園)が『桜の科学』という本に書かれた見解を紹介してくれました。
「勝木俊雄先生(多摩森林科学園)の著書『桜の科学』(SBクリエイティブ)で桜の花色の変化が詳しく書かれているので、その一部を紹介します。
日本の文化では淡い色合いの桜が好まれがちで、開花後のソメイヨシノの花弁の色は白に近く淡紅色です。ところが、散る間際になると、花弁や雄しべ、雌しべの基部(花の中心部)が赤くなってきます。これが桜の花が散り始めるサインだといいます」(小山さん)
そのことを知っていると、桜の花びらをのぞき込んで、中心部が緑色なら「まだ」、赤くなってきたら「そろそろ散りそうだ」と見分けることができます。
桜の花弁の色は、アントシアニンという色素によるものです。この色素を合成するには、気温と紫外線の刺激が条件よく揃わなければなりません。ソメイヨシノは蕾の段階では赤味が強く、開花するとアントシアニンが分散して色が急に薄くなり、散る間際になると色素を花の中心部に集める、という流れになります。
開花から満開まで7~10日と短い桜ですが、「そろそろ散りますよ」という「花からのサイン」に気をつけて見ると、より一層風情が増すのではないでしょうか。
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参考資料など
『桜の科学』(勝木俊雄、SBクリエイティブ)
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