アメリカ国立公園局の最高齢現役レンジャー、ベティ・リード・ソスキンさんが100歳で引退した。
ソスキンさんは3月31日に、カリフォルニア州リッチモンドの「ロージー・ザ・リベッター / 第2次世界大戦ホーム・フロント国立歴史公園」で、勤務最終日を迎えた。
この歴史公園で、第2次世界大戦の経験を伝える講座を担当していたソスキンさん。
レンジャーとして働いた日々について「情報源として歴史、私の知っている歴史を伝え、新しい国立公園を形作る仕事は、とても刺激的で充実していました」「それは、私の人生の最後の時間で、とても意義深いものとなりました」と振り返った。
黒人女性の歴史を伝えてきた
ソスキンさんは1921年、ミシガン州デトロイトのケイジャン-クレオール系、そしてアフリカ系アメリカ人の家庭に生まれた。
一家はソスキンさんが幼い時にルイジアナ州に引っ越したが、1927年のミシシッピ大洪水で被災し、カリフォルニア州に移住した。
そして10代だった第2次世界大戦中、ソスキンさんは人種隔離されたアメリカ軍の造船所で文書係として働いていた。
その後1945年には、当時の夫メル・リードさんと音楽ショップ「Reid’s Record」をバークレーにオープン。店は2019年に閉店した時には、カリフォルニア州最古のレコードショップになっていた。
地元コミュニティや州の政治活動に積極的に携わってきたソスキンさんは2000年代初め、第2次世界大戦中に国のために働いた女性たちに敬意を表して作られた「ロージー・ザ・リベッター / 第2次世界大戦ホーム・フロント国立歴史公園」の企画に参加。
そして、これまで知られてこなかった、第2次世界大戦中の黒人のストーリーを伝える仕事に携わった。
2007年のイーストベイタイムズのインタビューで、当時の公園管理者だったマーサ・リーさんは「私がここにきた時に、ロージーは戦争中の白人女性の経験を記念する場所だと思っている人もいた」と述べている。
その中で黒人たちの貢献や、彼らに対する差別の歴史を伝える重要な役割を担ってきたのがソスキンさんだったという。
「ベティは私たちに、良いものも悪いものも含めた全てのストーリーを伝えるよう求めました。私は歴史の真実に目を向ける必要を感じ、ベティはそのためのインスピレーションになってくれています」
ソスキンさんは2011年には無期雇用従業員になり、自身の経験を伝える講座を受け持った。
2015年のトゥデイのインタビューでは「レンジャーとして働くことで、黒人などマイノリティの女の子たちを勇気づけたい」と語っている。
「私はこののユニフォームが好きです」「理由の一つは、道やエレベーターやエスカレーターですれ違うすべての黒人の女の子たちに『あなたが考えたこともなかった仕事の選択肢があるんだよ』という無言のメッセージを伝えられるからです」
歴史公園は4月にソスキンさんの退職祝いを開く予定だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
100歳の国立公園局レンジャーが引退。戦争の経験伝え続け、「とても刺激的で充実した仕事だった」