2月14日(月)はバレンタインデー。この日は日本中でチョコレートが飛び交う一日です。もともとキリスト教圏のお祝いであるバレンタインデーとチョコレートの因果関係はなく、1970年代にチョコレートメーカーが考案したと伝えられています。
ところで、チョコレートが発酵食品であるというのをご存知でしょうか。発酵学の専門家である宮城大学金内誠教授に伺いました。
いつ、チョコレートは発酵している?
チョコレートは、カカオ豆から造られているを知っている人は多いと思います。
「コートジボアール、ガーナ、インドネシアなどから輸入されたカカオ豆は焙煎(ロースト)し、つぶして油脂を抽出します。抽出された油脂はカカオバターといいます。搾油(さくゆ)された粕はカカオマス。一部のカカオマスとカカオバター、砂糖、粉乳などを加えて練り固めたものがチョコレートです。カカオマスをさらに粉砕したものに砂糖や粉乳を加えたものが『ココア』として売られているものです」(金内教授)
カカオ豆と発酵にはどんな関連があるのですか?
「カカオ豆はアオイ科の植物の種です。カカオポッドと呼ばれる長さ15〜30cm、直径8〜10cmほどの実の中に入っています。このカカオポッドからカカオ豆を取り出すときに発酵させるのです。
カカオポッドの中には果肉(パルプ)が入っていて、これをバナナの葉に包んで発酵させます。この時にパルプは乳酸発酵やアルコール発酵します。さらにアルコールを餌に酢酸菌が生育し、酢酸発酵するといわれます。この発酵により出来上がったチョコレートに酸味など、独特の風味が付つけられます。この発酵の具合は、気温や地域によって異なるため場所によって味が異なるともいわれているのです」(金内教授)
神がくれた奇跡の食べ物?
チョコレートは体にいい食べものとしても知られています。
「チョコレートには、カカオポリフェノールという成分が含まれていて、抗酸化効果や血圧上昇抑制効果などが報告されています。味もおいしく、神がくれた奇跡の食べ物といってもよいでしょう。カカオの学名、『テオブロマ:Theobroma』はギリシャ語で『theos(神)のbroma(食べ物)』という意味です。納得できるような気がします」(金内教授)
体によく、味もおいしいという、発酵食品のチョコレート。食べ過ぎに注意してしっかりと堪能しましょう。
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