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【回答全文】みずほ、三井住友、三菱UFJは質問に何と答えた?

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日本のメガバンク3行の看板=東京都江東区

【みずほFG】

(質問1)ドイツの環境 NGO 団体の調査によると、2018 年から 2020 年までの間、世界の石炭産業への融資額は貴行を含め、日本の大手銀行でトップ 3 を占めていますが、こうした現状についてどう受け止めていますか?

(回答)同団体の調査に対する弊社の見解は、以下をご覧ください。 

https://www.mizuho-fg.co.jp/csr/business/investment/pdf/investment.pdf

〈みずほ〉は、気候変動が金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要なグローバル課題の一つであるとの認識のもと、環境・気候変動への対応を経営戦略における重要課題として位置づけ、さまざまな取り組み強化を行っています。

2021年に行った石炭火力発電所や石炭採掘への投融資に関する取組強化の内容は以下の通りです。

 ・環境・社会に配慮した投融資の取組方針に基づく石炭火力発電所向け与信残高の削減目標年を見直し(2050年ゼロ⇒2040年ゼロ)

・新規の石炭採掘(一般炭)を資金使途とするファイナンスを行わないことへと強化。移行リスクに晒される可能性が高い、石炭火力発電・石油火力発電・ガス火力発電・石炭鉱業・石油・ガスを主たる事業とする企業を移行リスクセクターと総称し、移行リスクセクターに対するリスク認識、取組方針を新たに明示 

・移行リスクへの対応強化 (エンゲージメントの拡大・炭素関連セクターのリスクコントロールの高度化など)。

詳細は TCFD レポート 2021p.35-38 ご参照ください (https://www.mizuho-fg.co.jp/csr/mizuhocsr/report/pdf/tcfd_report_2021.pdf)

(質問2)貴行の直近 3 年間(2019年1月〜21年12月)の石炭産業への融資額を、その年ごとに教えてください。

(回答)産業・資金使途ごとの融資額は公表していないため、回答を差し控えさせていただきます。石炭火力、石炭(一般炭)、石炭(原料炭)向けExpについては、TCFD レポート 2021 P.37 に開示しております。

(質問3)欧米の金融機関では、石炭火力に関する案件への投融資だけではなく、石炭火力発電の開発に関わっている企業に対する資金使途に限定のない融資を制限する動きもあります。こうした企業への融資に関するポリシーの策定がなされていないのはなぜでしょうか?

(回答)〈みずほ〉では、責任ある投融資の観点から、「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」を制定しております。本取組方針において、石炭火力発電や石炭採掘を主たる事業とする企業は移行リスクセクターと位置付け、 取組方針(※)を定めています(コーポレートファイナンスを含む)。

(※)取組方針:気候変動に伴う移行リスクへの対応が進展するよう、取引先とエンゲージメントを行います。一定期間を経過しても、移行リスクへの対応に進捗がない取引先への投融資等は、慎重に取引判断を行います。 今後もステークホルダーからの期待・目線をはじめとした外部環境の変化や、本方針の運用結果を踏まえて方針の見直しの必要がないか、検討を行っていきます。

(質問4)企業への融資も含め、石炭産業への融資を今後どのように制限していきますか?具体的に教えてください。

(回答)質問3の回答の通り、〈みずほ〉は、「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」において、石炭火力発電、石炭鉱業を主たる事業とする企業は、移行リスクセクターと位置付け、取組方針を定めています(コーポレート ファイナンスを含む)。

また、石炭火力発電については、石炭火力発電所の新規新設を資金使途とする投融資等を行わない、石炭採掘 (一般炭)についても新規の炭鉱採掘(一般炭)を資金使途とする投融資等は行わない方針としております。詳細は TCFD レポート 2021p.42-43 ご参照ください。

さらに、石炭火力発電所向け与信残高については、「2030年度までに2019年度比50%に削減し、2040年度までに残高 0とする」との削減目標を設定しております。

(質問5)石炭火力発電の新規計画への投融資は行わないとする一方、石炭採掘に関するポリシーについては、条件つきでプロジェクトへの融資を認めています。石炭採掘に関するポリシーを強化するお考えはありますか。

(質問6)石油、ガス開発に関するポリシーも今後、変更していくお考えはありますか?あるとすれば、どのように変えていくお考えですか?

(回答)(質問5・6をまとめて回答いたします) 外部環境変化と環境・社会に配慮した投融資の取組方針の運用結果を踏まえて、認識すべきリスクや対象となるセクター等の適切性・十分性について、経営会議や経営政策委員会等で定期的にレビューし、方針の見直しと運営の高度化を図っており、直近では2021年3月に気候変動・生物多様性・人権課題への対応強化の観点から方針を改定し、取り組みを強化しています。

今後もステークホルダーからの期待・目線をはじめとした外部環境の変化や、本方針の運用結果を踏まえて方針の見直しの必要がないか、検討を進めてまいります。

(質問7)ESG投資が世界的に広がる一方、石炭や化石燃料など、環境に配慮しない融資を実施する銀行からのダイベストメント(投資撤退)の動きについてどう受け止めていますか?

(回答)脱炭素社会の実現に向けた投資家等ステークホルダーからの様々な期待・要請を踏まえ、経営課題として、気候変動対応を継続的に強化して参ります。

【三井住友銀行】 

(質問1)ドイツの環境NGO団体の調査によると、2018年から2020年までの間、世界の石炭産業への融資額は貴行を含め、日本の大手銀行でトップ3を占めていますが、こうした現状についてどう受け止めていますか?

(回答)特定の開示に記載されている内容についてのコメントは差し控えさせて頂きます。

(質問2)貴行の直近3年間(2019年1月〜21年12月)の石炭産業への融資額を、その年ごとに教えてください。

(回答)具体的な数字に関する回答は控えさせて頂きます。

(質問3)欧米の金融機関では、石炭火力に関する案件への投融資だけではなく、石炭火力発電の開発に関わっている企業に対する資金使途に限定のない融資を制限する動きもあります。こうした企業への融資に関するポリシーの策定がなされていないのはなぜでしょうか?

(回答)かかる業種の企業のコーポレート与信を禁止することは、トランジションに向けられる資金を止める可能性もあり、またエネルギーの安定供給に支障を来すこともあり慎重な対応が必要と考えています。

(質問4)企業への融資も含め、石炭産業への融資を今後どのように制限していきますか?具体的に教えてください。

(回答)金融機関のScope3排出量削減を実現するためにも、ステークホルダーの皆様と丁寧な対話を進め、各産業への影響やイノベーションの動向を考慮しつつ、お客様の脱炭素化に至るトランジションを支援していきます。また、化石燃料に限らず各セクターや事業への方針は定期的に見直しをしております。特に、化石燃料セクターへの方針は外部動向や国のエネルギー政策を注視しつつ、プロアクティブに状況を捉えつつ、適宜な見直しを図っていきます。

(質問5)石炭火力発電の新規計画への投融資は行わないとする一方、石炭採掘に関するポリシーについては、条件つきでプロジェクトへの融資を認めています。石炭採掘に関するポリシーを強化するお考えはありますか。

(回答)特に、化石燃料セクターへの方針は外部動向や国のエネルギー政策を注視しつつ、プロアクティブに状況を捉えつつ、適宜な見直しを図っていきます。

(質問6)石油、ガス開発に関するポリシーも今後、変更していくお考えはありますか?あるとすれば、どのように変えていくお考えですか?

(回答)特に、化石燃料セクターへの方針は外部動向や国のエネルギー政策を注視しつつ、プロアクティブに状況を捉えつつ、適宜な見直しを図っていきます。

(質問7)ESG投資が世界的に広がる一方、石炭や化石燃料など、環境に配慮しない融資を実施する銀行からのダイベストメント(投資撤退)の動きについてどう受け止めていますか?

(回答)欧米ではダイベストメントの動きがあることは認識しています。当社も気候変動対策の強化の一環として、2021年5月には長期のロードマップを策定し2030年までに当社グループが排出する温室効果ガスのネットゼロの実現、2050年までには投融資ポートフォリオ全体でもネットゼロを実現することをコミットしており、当社のお客様やステークホルダーとのエンゲージメントを通じ、自社およびお客様の脱炭素化へ向けた取組を推進し、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。

(三井住友銀行 広報部)

【三菱UFJフィナンシャル・グループ】 

(質問1)ドイツの環境NGO団体の調査によると、2018年から2020年までの間、世界の石炭産業への融資額は貴行を含め、日本の大手銀行でトップ3を占めていますが、こうした現状についてどう受け止めていますか? 

(回答)MUFGは、中期経営計画の中心にサステナビリティ経営を位置づけ、2021年5月のカーボンニュートラル宣言により、2050年までの投融資ポートフォリオネットゼロにコミットした最初の邦銀です。

また2021年8月にはNZBAにおけるステアリンググループに選出されると共にPCAFへの加盟を決定し、スピーディに投融資先のGHG排出量の測定・開示に向けた取り組みを強化しております。

今後も各種国際ガイドラインに沿った科学的なアプローチでの目標設定及びお客さま含むステークホルダーとの対話を進めながら、リーディングバンクとして日本の脱炭素化に貢献して参ります。

(質問2)貴行の直近3年間(2019年1月〜21年12月)の石炭産業への融資額を、その年ごとに教えてください。 

(回答)2020年度末の石炭火力発電関連のプロジェクトファイナンスの残高は3,774百万米ドルです。 コーポレートファイナンスに関しては、今後開示していく予定です。

(質問3)欧米の金融機関では、石炭火力に関する案件への投融資だけではなく、石炭火力発電の開発に関わっている企業に対する資金使途に限定のない融資を制限する動きもあります。こうした企業への融資に関するポリシーの策定がなされていないのはなぜでしょうか? 

(回答)現在の石炭火力発電セクターのポリシーは、

・新設および既存発電設備の拡張にはファイナンスを実行しない

・但し、パリ協定目標達成に必要な、CCUS、混焼等の技術を備えた石炭火力発電所は個別に検討する場合があるとの内容に2020年5月に見直し、厳格化致しました。

お客さまのトランジションに資する資金需要に応えることが金融機関の使命であり、かつネットゼロ実現への必要不可欠な取り組みと考えております。

脱炭素型の火力発電への置き換えに向けた、パリ協定目標達成に整合的なアンモニア混焼やCCUS等の技術を備えた石炭火力発電所については、技術実証の進捗状況をフォローの上、「個別に検討する場合がある」としております。

(質問4)企業への融資も含め、石炭産業への融資を今後どのように制限していきますか?具体的に教えてください。 

(回答)お客さまのトランジション進捗を確認しながら、移行リスクが高い場合には確りエンゲージメントを実施し、トランジションに資する資金需要に応えることで、サポートをして参ります。

(質問5)石炭火力発電の新規計画への投融資は行わないとする一方、石炭採掘に関するポリシーについては、条件つきでプロジェクトへの融資を認めています。石炭採掘に関するポリシーを強化するお考えはありますか。 

(回答)従来から弊社はダイベストメントについては、エンゲージメントの機会を失うことも考えられるため、最終手段だと考えております。エンゲージメント、議決権行使等のアクティブオーナーシップで効果が得られない場合は検討を行います。

(質問6)石油、ガス開発に関するポリシーも今後、変更していくお考えはありますか?あるとすれば、どのように変えていくお考えですか? 

(回答)NZBAが定義する高排出セクターのうち、MUFGポートフォリオにおける重要性や業界の移行リスクを踏まえ、まずは「石油・ガス」、「電力」セクターから目標設定を進めております。

来春には、「石油・ガス」、「電力」セクターの2030年中間目標を公表する予定です。

(質問7)ESG投資が世界的に広がる一方、石炭や化石燃料など、環境に配慮しない融資を実施する銀行からのダイベストメント(投資撤退)の動きについてどう受け止めていますか? 

(回答)融資のダイベストを目標達成の最適な方法だとは考えておりません。お客さまご自身による既存事業からのGHG排出量削減努力のみならず、新たに再エネ事業を拡大する取り組み等も脱炭素化に向けた重要な取り組みと認識しております。MUFGとしては、こうしたお客さまの取り組みを支援することで、目標達成を目指して参ります。

【記事本文はこちら】「石炭産業に融資しないで」だから私は銀行口座を変える。“ダイベストメント”に日本のメガバンクはどう向き合うのか。

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