陸と空を車で駆け抜ける――空想の世界に存在していた空飛ぶ車が、現実のものになりつつある。
空と陸の両方を走るデュアルモード車「AirCar(エアカー)」を開発するスロバキアのスタートアップ、クライン・ビジョンは1月24日、同国の運輸当局から耐空証明を取得したと発表した。
耐空証明は、航空機が安全に航行できることを認定するもの。
クライン・ビジョンによると、取得にあたっては、欧州航空安全機関(EASA)の基準に匹敵する70時間の飛行試験が実施された。
また200回以上行われた離着陸では、パイロットが操縦装置に触れずに成功したケースもあったという。
エアカーは、BMWのエンジンを搭載したハイブリッド飛行車だ。
2020年に初飛行を成功させ、2021年6月には、スロバキアのニトラ空港とブラチスラヴァ空港間で35分間の都市間飛行を成し遂げた。
クライン・ビジョンはこの都市間飛行で、エアカーが3分以内に飛行形態からスポーツカーに変形したと発表している。
(初の都市間飛行の映像)
大量生産も近い?
クライン・ビジョンにとって、耐空証明の取得は大量生産に向けた一歩を意味する。
同社CEOでエアカー開発者のステファン・クライン氏は、「エアカーの認定は、効率的な空飛ぶ車の大量生産を可能にします」と証明取得を喜んだ。
また、共同創立者のアントン・ゼイジャック氏は「50年前、車は自由の縮図でした。エアカーは、道と空をつなげるという次の次元に私たちを連れていくことで、その領域を広げます」と述べている。
同社は12カ月以内に、エアカー量産モデルの認定を計画しているという。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
空飛ぶ車、スロバキアで耐空証明を取得「私たちを次の次元へと連れていく」