アメリカの人気YouTuberアダリア・ローズ・ウィリアムズさんが1月12日、15歳で亡くなった。家族がSNSで発表した。
ウィリアムズさんは赤ちゃんの時に遺伝性疾患のハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群と診断された。
プロジェリアとも呼ばれるこの疾患は、子どもの頃から急激に外見の老化が進むなどの症状を伴う。
知的発達や歩くといった運動機能への影響はないものの、体重が増えないなど成長の遅れや脱毛症、関節異常などが見られるという。
家族はInstagramとFacebookの投稿で「彼女は静かにやってきて静かに去りましたが、それとは程遠い人生でした」とつづった。
「彼女は何百万もの人たちの心に触れ、彼女を知るすべての人に大きな印象を刻みました。もう苦しまなくていいのです。今頃大好きな音楽を聞きながら踊っているでしょう」
「これが現実でなければどんなに良かったことでしょう。しかし残念ながら現実です」
「彼女を愛しサポートしてくださったすべての方々、そしてこれまで何年も、彼女の健康を守ってくれた医師や看護師に感謝します」
ウィリアムズさんが13歳の誕生日を迎えた2019年に、オーダーメイドのドレスをプレゼントしたデザイナーのマイケル・コステロさんも、Instagramで「訃報を聞いて言葉を失っている。涙が止まらない」と悲しみを伝えている。
「あなたが私の人生をどれだけ変えたか、言葉では言い表せません。大切な友達、あなたに会えなくなるのがとても寂しい。2人の素晴らしい思い出を大切にすると約束します」
人生を変えた存在
ウィリアムズさんはテキサス州オースティンの出身。
母親のナタリア・パランティさんは2018年のニュージーランド・ヘラルドのインタビューで、生後3カ月の頃にプロジェリアと診断されたと語っている。
またその時に、ウィリアムズさんが「とてもやんちゃで、毎日が何か新しいことが起きて、いつもワクワクする日々を過ごしています」と述べ、成長を目にするのが子育ての楽しみだと明かした。
パランティさんにとってウィリアムズさんは「人生を変えた」存在だったという。
「それまで、私はいつも憎しみに満ちていたというわけではありませんが、自分に優しくなくて、感謝の気持ちも感じていませんでした。彼女が生まれるまで、人生とは何かに気づいていませんでした」
人気YouTuberとして知られるウィリアムズさんが自身のYouTubeチャンネルに初めて動画を投稿したのは2012年。
それから10年たった現在、同チャンネルには292万人、Facebookには1256万人のフォロワーがいる。
フォロワーからのコメントは、ウィリアムズさんにとって励みだったという。
パランティさんは「フォロワーは『あなたは可愛い』『とても美しい』『あなたのダンスが好き』『動画が楽しい』などいつも嬉しくなることを言ってくれます。そして『彼女に勇気づけられた』とか『何があっても前に進んでいるのがすごい』などのコメントが定期的に投稿されます。彼女はそういったコメントがとても好きです」と語っている。
クリーブランドクリニックによると、プロジェリアは200万人に1人がかかる稀な遺伝子疾患だ。平均寿命は13歳だが、20代前半まで生きる人たちもいる。
現在、治療法は確立されていないものの、メイヨークリニックによると治療の希望の持てる研究結果もあるという。
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YouTuberのアダリア・ローズさん、15歳で死去。「何百万もの人たちの心に触れた」