12月10日遅くから11日にかけてアメリカを襲った複数の竜巻で、ケンタッキー州メイフィールドにあるろうそく工場が大きな被害を受けた。
この「メイフィールド・コンシューマー・プロダクツ」のろうそく工場では、建物が倒壊してこれまでに8人の死亡が確認、8人が行方不明になっている。
NBCによると、この工場で働いていた複数の従業員が「仕事をやめて帰れば、解雇すると言われた」と証言している。
「帰れば解雇されると言われた」と明かす
竜巻が襲った時に、ろうそく工場では110人ほどが働いていたと伝えられている。
これまでに「解雇されると言われた」もしくは「言っているのを聞いた」と明かしたのは、少なくとも5人。
マッケイラ・エメリーさんは、工場の外で最初のサイレンが鳴った直後に、そばにいた従業員たちが「帰ってもいいか」と管理者に尋ねるのを聞いたという。
この求めに、「もし帰れば、おそらく解雇されると管理者たちは答えた」とNBCに語っている。
別の従業員のイライジャ・ジョンソンさんは、他の従業員と一緒に家に帰りたいと申し出たところ、管理者の1人から「解雇されると言われた」と話す。
「こんな天候でも、解雇するんですか」と聞くとマネージャーは「そうだ」と答えたという。
一方、メイフィールド・コンシューマー・プロダクツ広報のボブ・ファーガソン氏は、従業員の証言は「全く事実と異なる」と反論している。
ファーガソン氏はNBCに「新型コロナウイルスのパンデミック以来、従業員は望めばいつでも帰ること許されている」と述べ、「家に帰れば解雇される」という発言を否定した。
さらに、トロイ・プロープスCEOはレキシントン・ヘラルド・リーダーに、「従業員たちを嵐の中で帰宅させたくなかったので、管理者たちは彼らを工場の中にとどめた」と述べている。
「ここは製造工場です。最も安全な場所だと思ってもおかしくありません。ただし、この嵐の場合は違いました」
竜巻は2度目のサイレンの後に工場を襲った
従業員らの証言によると、工場の外で1度目のサイレンが鳴ったのは午後5時半頃で、それから数時間後の午後9時頃に2度目が聞こえた。
最初のサイレンの後、管理者たちは安全のために建物から出ないよう伝え、廊下やトイレに従業員を集めた。しかしサイレンの後に、竜巻の危険は去ったと思い込み、従業員たちを職場に戻したという。
フォークリフトオペレーターのマーク・サクストン氏は「家に帰りたかったが、その選択肢は与えられなかった」と述べている。
「最初のサイレンの後に、廊下に集められました。しかしその後は、仕事に戻され、家に帰ってもいいとは言われませんでした」
竜巻は2度目のサイレンの後に工場を襲った。
竜巻が直撃した時、サクストン氏は工場のタイルやコンクリートが剥がれ落ち始めるのを目にしたという。
「全員が逃げ始めました。私は床に降りましたが、そこは危険な場所でした。コンクリートの板が倒れてきました」
サクストン氏は、竜巻の風に持ち上げられて倒壊した建物の屋根に着地したため軽傷ですんだ。
しかしサクストン氏は、管理者たちの行動に「傷つきました。無視されているように感じた」と述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
米竜巻、帰宅すれば「解雇されると言われた」。倒壊したろうそく工場の従業員が証言