秋篠宮さま、世界で深刻な「気候変動問題」に思いを馳せる。一年で「特に印象に残ったこと」に挙げる

11月30日に56歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまが、25日に臨まれた記者会見で、2021年で特に印象に残ったこととして、世界で深刻となっている「気候変動問題」について挙げ、自らの考えを述べられた

日本での豪雨被害などにも触れ、危機的な状況に懸念を示された。

「すごく印象に残る今年の出来事」に気候変動問題

記者会見で「今年のこの一年で特に印象に残ったこと」について質問を受けた秋篠宮さま。

東日本大震災の発生から10年が経過したことや東京オリンピックでのアスリートの活躍、メジャーリーグでMVPを獲得した大谷翔平選手や国際ショパンコンクールで反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位になるという話題など様々な事柄について触れた。

その中でも特に印象に残ったこととして挙げたのは、「地球環境」に関するものだった。秋篠宮さまは異常気象や世界で深刻となっている気候変動問題について次のように述べられた。

今年のこの一年で特に印象に残ったこととしては、私は異常気象、日本でもしばらく夏になると豪雨とかで洪水があったりとか大きい被害が起こっていますけども、今年こう見てみますと例えば夏に7月ですか、ドイツを中心に洪水の被害がありましたし、中国の山西省でも豪雨による被害がありました。

また今度はあれはアメリカでしょうか、熱波が来たり、それから干ばつが起こったり、それから確かブラジルのパンタナールの水の量も雨季に雨が降らなくて減ったということがあったかと思います。

それでこういう自然災害であったり、自然現象、それといわゆる気候変動ですね。これが非常に密接に結びついていて、気候変動に関する政府間パネルの第6次報告書では、地球の温暖化についてその人間の活動に起因することは疑う余地がないという報告書を出しました。

これはその前のときの第5次報告書だとその可能性は極めて高い95パーセント以上としていたのに加えて今度はもう疑う余地がないということを報告書で出したわけですね。

そうするとやはりこの人間の活動、それから気候変動、そして災害、そしてもう一つそれによって生物多様性の消失。そういうものがこうつながってきているっていうのが、すごく印象に残る今年の出来事だったと思うんですね。

しかも生物の多様性の消失により、感染症が広がるということにも影響があると言われています。これは生物の多様性が減少することによって好適宿主というんですかね、好適宿主が密度が高く、そうすると、これを主に節足動物媒介の感染症ですけれども、そういうものが増えやすくなる。

一方でそれ以外の宿主とかがこういろいろな物がいることによって感染を制御できる可能性があるという希釈効果と言うそうですけれども、そういうことにもつながってきて、今いろいろなものが、事象がこうつながってきたなというのがやはり今年の私にとっては一番印象に残っていることです。

そしてまた10月にはこれも気候変動と関係ありますけれども、日本出身の眞鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞されました。自然現象を物理学的にモデリングして、気候変動についての知見を出すということは非常に大事なことだと私は思います。

秋篠宮さまは公益財団法人・世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の名誉総裁を務めるなど、公務の傍ら生物多様性や地球環境問題などについても強い関心を持ち続けておられる。

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