新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方が大きくシフトしたこの1~2年。
リモートワーク(もしくはオフィス出勤とのミックス)は、私たちの生活に大きな変革をもたらしました。Zoom会議中に子どもが入ってきたり、仕事の合間に洗濯機をまわしたり、ベッドで仕事したり…。そして汚い部屋を隠すために背景ぼかしフィルターを使ったこともあるのでは?
そんな中、多くの人はきっと気づいたのではないでしょうか…。
上司とのコミュニケーションを欠かさず、締切を守り、しっかり仕事をしていれば、仕事と無関係なこともたくさんできるということをー。
今回は、読者(ハフポストUS版)にリモートワーク中に上司や同僚に秘密にしてたことを聞きました。仕事中のハイキングから妊娠、引っ越しまで…選ばれた12人の返答を紹介します。
1. トイレから仕事をした
「新型コロナウイルス感染が拡大し始めた初期の頃、私はよくトイレから仕事をしていました。チャットやメールの多くはプロジェクトに関する無意味なおしゃべりで、『これならトイレでできる』と思ったんです。ただ、1度だけ問題がおきました。携帯電話でビデオカンファレンスをしていた時、会議をログアウトしたと思ってトイレに行ったんですが、入るまでカメラをオンにしたままで、電話が『音声を調整しました』と言って初めてまだオフになっていないと気づいたんです。すぐに切りましたが、恥ずかしくて誰にも『何か見えた?聞こえた?』なんて聞けません」
ー市職員、カリフォルニア州
2. オフィスアワー中にハイキングをしていた
「営業をしているので、顧客と常に仕事をしていました。殆どの“自宅勤務”時間はハイキングをしていました。電話やメールでの顧客の対応は全て、山を登ったり、滝への坂を下ったり、廃墟ビルや飛行機の墜落地点を巡りながらやっていました。私がハイキングをしながら対応していたことは一部の人しか知らないし、職場の人は誰も気づいていません」
ー営業、コネチカット州
3. 裸で働いていた
「家では裸でいることが多いので、仕事中でも同じでした。洗濯代もエアコン代も節約できるし、何よりもお腹にきつい圧迫を受けなくていいから。圧迫があると、私はよくお腹が張ってしまうんです。今のところ、ビデオカンファレンスでも私が裸で映るようなミスをしたことはありません。でも同僚たちは、ビデオがオンだったのに気づかず、シャツなしで映っちゃっていたことがありました」
ークヤ・マンザノ、翻訳者・コンピュータープログラマー・俳優、フィリピン
4. SNS用の画像ネタを作ってた
「私が勤務時間中にバズる画像ネタの雛型を作っているとは会社は知りません。私はITのヘルプデスクとしてパートタイムで仕事をしていて、基本オフィスに行かなければなりません。でも新型コロナウイルス感染が拡大し、感染リスクを下げるため、リモートワークとのローテーションになったのです。他にも、暇な日にはオンラインゲームを9時間くらいしていたこともありました」
ーIT職
5. 電話会議中にセックスをしていた
「仕事の電話中にセックスをしていました。私じゃなくて、彼女がやりたいと提案したんです。ずっと妄想していたのか、彼女はとても興奮していました。Zoom会議中だったのですが、カメラもマイクもオフにして、でも怪しくないように時々マイクをオンにして調子を合わせたりしていました」
ー会社員、ニューヨーク
6. 妊娠
「3人目の子の妊娠がわかった時、私はフリーランスで執筆の仕事が調子に乗ってきたばかりの頃。やっと定期的に仕事をくれるクライアントもでき、安定してきたタイミングでした。だから、妊娠したと伝えたらあまり仕事をくれなくなる、もしくは担当を違う人に変えてしまうのでは、と不安になったんです。
ある日、陣痛が始まったので、編集者に2本の記事の期日をもう少し延長して欲しいとお願いすると、好きなだけ時間をかけていいよ、と答えてくれました。他にも、編集を頼まれて、病院にいてこれから出産するところでなので退院したらやりますと言ったら、自分でやるから大丈夫だよ、と言われました。現在でも彼らとは良い関係を築けています。
今では、家で3人の子育てをしていることを正直に話して、他の人たちと同様、その状況でベストを尽くしています」
ーローレン・ウェルバンク、フリーランス・ライター
7. 他州に引っ越した
「コロラド州に住んでいましたが、自分が育ったテキサス州のヒューストンに引っ越しました。引っ越しのことは意図的に内緒にしていました。というのも、職場ではコロラド州在住でなければならないというルールがあったからです。リモートワークに切り替わり、長期間オフィスに行かなくて良いことになったとき、新たな職を探さずに違う場所に引っ越すチャンスだと思ったのです。
会社は私が引っ越したことに全く気づかず、1年ほど続けました。会社に残ることもできたけど、ヒューストンで新たな仕事を見つけました。やりたい事があるなら、仕事を理由に諦めないで!だって、会社はいつでもあなたの替えを見つけられるんだから」
ーコンピューター・プログラマー、ヒューストン
8. 他国に引っ越した
「カリフォルニア州に住んでいましたが、韓国のソウルに引っ越しました。私はそれを、会社の同僚だけでなく、殆ど誰にも言いませんでした。親しい友達や家族だけには話しましたが、その時はまだパンデミックが始まった頃。旅行や移動はタブーとされていた頃だったので、あまり大声で言わない方がいいと思ったのです。
私の仕事は対面式から完全にオンラインへと変わり、対面での仕事に戻るのは、ワクチンが始まるまではないと言われました。だから韓国へ行って、そこで仕事を探したんです。1年後、私は韓国で安定した仕事を見つけ、アメリカでのオンラインでの仕事はやめました。前の会社の人たちは私が韓国へ引っ越したことを全く知りません」
ー私立学校の教育者、韓国
9. 死にゆくペットの世話をしていた
「私と夫にとってリモートワークは、がんを患った我が家の猫の世話をやりやすくしてくれました。仕事に支障もなくいつも時間内に終わらせていたので、上司や誰にも伝える必要がありませんでした。自宅勤務は、猫・ビアンカが病気だったときに、彼女を見て変わりゆく体調を観察するのをとても容易にしてくれました。
病気の初期はすごく空腹になったり、最後の月にはとても静かになったり、そういった変化に気づく事ができました。時々隠れたり、食欲やエネルギーがあまりなく、壁を見てただ座っていました。17歳で亡くなりましたが、彼女に寄り添うことができてよかったです。
ー学校職員、南カリフォルニア
9. 慢性疾患がある
「私は慢性的な痛み、自己免疫疾患、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、そして不安障害を患っています。意図的に言わなかった訳ではないですが、ただ会話に上がらなかったのです。体調に波があって良い時が続いていたので、言う必要もないと思ったのです。
痛みがあったりメンタルヘルスの調子が悪い日でも、できることはたくさんあります。ただ、やり方を工夫する必要があるのです。痛みが強い日に、リクライニングチェアや加温パッドの敷かれたベッドから仕事ができるのは、とても助かります。もちろん、体が『ストップ』と訴える日には、病気休暇をとりますが、今は選択肢があり、体調に対応する自由があります。
心身ともに疲れてもし日中昼寝が必要なら、昼寝をしてリフレッシュして仕事に戻る事ができます。私の仕事スケジュールは他の人とは違うかもしれませんが、今では自分や自分の体を尊重しながらも、8時間フルタイムで働くことができます」
ーケイト・キング、NPOの開発ディレクター
10. 大学院に通い始め、キャンパス近くに引っ越した
「2020年7月に、ノースキャロライナ州のモアヘッド・シティから同州のグリーンスボロに引っ越しました。大学院でコンピューター科学とエンジニアリングの修了課程を取得するため学校に通い、しばらく家族と一緒に生活していました。
会社に大学院で授業を受ける話はしましたが、すでに4時間も離れた場所に引っ越したとは伝えませんでした。同僚数人には話しましたが、雇用主に話す必要はないと感じたからです。私はきちんと仕事をこなしていたし、会社の前に住んでいても、国の逆側に住んでいたとしても、仕事のパフォーマンスが変わるわけではないのですから。
引っ越して7カ月ほど経った頃、雇用主が私が近くに住んでいないことを知った時は驚いたようです。アパートを借りる申請の際、雇用の確認で会社に電話があったのです。それでも、常に期待される通りまたはそれ以上の仕事をしていたので、特に問題はありませんでした。その後、雇用主とは社内での今後を話し合い、大学院やこれからのこと、私の目標と一致する社内ポジションについて話し合いました。結局そこでその後7カ月働き、良い関係のまま退社しました」
ー大学院生、ノースキャロライナ
11. 脳外傷を秘密にしようとした
「3月、脳外傷を負いました。最初はどれだけ深刻か分からなかったけど、調子が良くないことは分かりました。これを会社に完全に秘密にすることはできない、明らかに記憶力や集中力などに悪戦苦闘していて、最終的には話さないと、と思いました。調子が良い日も悪い日もあり、会社のガイダンスによるサポートの詳細が明らかではなかったからです。自分の病気によるチームへの影響を抑えるには何をすればいいのか、明確な答えを見つけるのは困難でした。それに、病気のことを人事や同僚に話すと、批判的な目で見られているような気がしたのです。
だから、大変な怪我を負ったにも関わらず、必要最低限のことだけを話すようにしました。自分のニーズを話すと、後で泣きをみる事が多い気がしたから。
怪我以来、私にとって自宅勤務はとても重要でした。自分のストレスレベルを調整し、必要な時には暗い部屋に篭り、そして運転をしないことは私の回復と健康にとって、すごく大事なことでした。そして、有休の全てを症状に対応するために使い切りました。自宅勤務でさえ怪我の影響を緩和するには不十分で、3週間の休みを取る必要があったほどです」
ーケイト、政府の社会福祉機関勤務
12. がん末期の父を介護していた
「2020年10月、父はステージ4のがんだと診断されました。その頃にはちょうど良いワークライフバランスを築けていて、全てのスケジュールを上司に報告しなくて良いと感じていました。すでに多くの人が、育児や遠隔授業に苦戦していたので、父のことを話すのは少し待とうと思いました。
結局伝え、最後の方、父の介護が大変な時に有休を取ろうと申し出ると、父と過ごす時間が一番大事だから仕事のことは心配しなくていい、と雇用主から言われました。
父は最初の診断から1年も経たない、2021年8月に亡くなりました。私が自宅勤務でなかったら、どんな生活であったか想像もできません。新型コロナウイルスの感染拡大は、父のがん治療によるストレスや合併症を悪化させました。病院内で感染者が出ると、父は新型コロナウイルス・ユニットで隔離され、検査をすることになります。何度かありましたが、検査中私たちは待つだけで、まるで悪夢のようでした。もしこの時、私がオフィスに出勤しなくてはならず、娘も学校に登校しなくてはいけなかったら、父が感染する確率はずっと高くなっていたでしょう。
父を新型コロナウイルスから守ることと、父のそばにできるだけいることは、リモートワークでなければずっと難しいことだったでしょう」
ークリスタ・バースロミュー、ファイナンシャル・コントローラー、ネブラスカ州
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
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12人が教えてくれた、リモートワーク中にボスに秘密にしていたこと