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胎児が死ぬまで「医療行為を拒否された」。妊婦死亡で中絶禁止に抗議のデモ ポーランド

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イザベラさんの写真を掲げて抗議するデモ参加者たち(2021年11月6日、ワルシャワ)

妊娠中の女性が病院で中絶を拒まれて死亡したとして、人工中絶を厳しく制限する法律をめぐってポーランドで論争が再燃している。

同国では女性の生命や健康が危険にさらされるなど一部の例外を除き、ほぼすべてのケースで中絶を禁止している。活動家たちは、こうした法律がなければ女性は命を落とさずに済んだ可能性があるとして、法改正を訴えている。

 

何があったのか

ロイター通信などによると、イザベラさんは9月に破水して病院へ行き、検査で胎児に異常が見つかった。亡くなる前、イザベラさんは母親に次のようなメールを送っていた

「赤ちゃんの体重は485グラムだった。中絶法のため、今は横になっていることしかできない。彼ら(医師ら)には何もできない。赤ちゃんが死ぬか何かが始まるまで待つようで、そうでなければ私が敗血症になるかもしれない」

その後の検査で胎児が死んでいることが判明すると、医師は帝王切開を行うことを決めた。代理人弁護士によると、手術室に向かう途中でイザベラさんの心臓が停止し、9月22日に死亡したという。妊娠22週目で、30歳だった。

病院側は当初イザベラさんの夫に対し、イザベラさんは肺塞栓症のため死亡したと伝えていたが、検死の結果、死因は敗血症性ショックであることが判明した

ガーディアンによると、遺族側は、医師らは中絶を厳しく制限する法律に違反することを恐れて、イザベラさんの命を救う医療行為を拒否したと訴えている。

一方、病院側は「医師と助産師は母子を救うために全力を尽くし、困難な闘いをした」との見解を示した。検察当局が捜査中であるとした上で、「全ての医療上の決定は、ポーランドの法律の規定と行動基準を考慮して行った」としている。

病院は11月5日、2人の担当医師を停職処分にしたと発表した

イザベラさんと同じ病室に入院していた女性は、現地メディアの取材に対し、「『生きたい、死にたくない』というイザベラさんの言葉が今でも耳に残っている」と語った。この女性によると、イザベラさんの胎児が死亡する前、病院のスタッフは陣痛促進や帝王切開をすることを拒否していた。この女性は「彼女は何かがおかしいと感じていました。しかし、医師らは彼女に、『(胎児の)心臓が動いている限り、これは仕方のないことだ』と言い続けたのです」と証言する

 

ワルシャワのデモには数千人が参加し、中絶禁止に抗議の意を示した

中絶要件が厳格化

ワシントン・ポストによると、カトリック教徒が多いポーランドでは、ヨーロッパで最も厳しいとされる中絶法が施行されている。法律は、レイプや近親相姦、女性の生命や健康が危険にさらされる場合を除き、ほぼすべてのケースで中絶を禁止している。

ポーランドの憲法裁判所は2020年10月、胎児の先天性異常を理由とした中絶を違憲とする判決を下した。これを受け、中絶要件の厳格化に抗議するデモが首都ワルシャワなど各地に広がっていた

活動家たちは、この判決によって、医師たちは母体の生命が危険にさらされていても中絶させることを恐れるようになったと訴えている。

一方でポーランドの与党「法と正義」(PiS)は、憲法裁の判決がイザベラさんの死の原因であるという主張を否定。医師の判断ミスが原因だとしている

イザベラさんの家族は声明の中で、彼女の死の状況を公表した理由の一つとして「ポーランドの女性と医師の状況に世間の注目が集まり、法律の改正につながること」への望みを挙げている

人権団体は、中絶禁止への抗議を示すデモや、イザベラさんの死を悼むキャンドルナイトをポーランドの二大都市で行った。SNS上では、イザベラさんに続く妊娠中の死者を出さないよう法改正を求めるハッシュタグも拡散している

追悼のキャンドルに照らし出されるイザベラさんの写真

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
胎児が死ぬまで「医療行為を拒否された」。妊婦死亡で中絶禁止に抗議のデモ ポーランド

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