ドラフト会議2021の注目選手は?左腕投手が「スーパー大豊作」で通好み【厳選23人】

プロ野球の新人選手選択会議・通称ドラフト会議が10月11日に開かれる。

2021年は、かつての星稜高・奥川恭伸投手(現ヤクルト)や大船渡高・佐々木朗希(現ロッテ)のような、マスコミを熱狂させる“超目玉”はいない。

しかし、希少価値とされる左投手を中心に「豊作」年になったとも言えるだろう。そんな通好みの2021年ドラフトを100倍楽しめるように、編集部の独断で23選手をピックアップして紹介する。

編集部の「推し」はYouTube動画(約40分)でも解説しています。

■1位候補は?

最初に名前を挙げたいのは、小園健太投手(市和歌山高)。最速152キロの右投手だが、出色なのは引き出しの多さ。カットボールやツーシームなど対になる変化のボールを操り、締めはアウトローに140キロ台後半のストレート…など打者を翻弄する投球術があり、高校生ながらその完成度が評価されている。

2021年のセンバツ高校野球では、制球に苦しむ場面もあったが県岐阜商を4安打完封。夏は県大会決勝で、その後全国制覇を果たすことになる智辯和歌山の前に散ったが、順調な成長ぶりを見せつけた。

大学生の1位候補は隅田知一郎(ちひろ)投手(西日本工業大)。最速150キロの左投手だが、こちらも技巧派として評価されている。6月の全日本大学選手権では、上武大学を相手に毎回の14奪三振。速球に加え、スライダーやスプリット、それにチェンジアップなど多彩な武器で的を絞らせず、一躍上位候補に名を連ねた。

小園投手を含めた「高校BIG3」も大注目だ。

まずはノースアジア大明桜の風間球打投手。こちらは上の2人と違ってスケール重視のパワー型で、真上から投げ下ろす最速157キロの速球は威力満点だ。夏の甲子園では名将・馬淵監督率いる明徳義塾に球数を投げさせられ攻略されたが、その一方で力をセーブしながらカウントを稼ぎつつ、勝負どころで一気にギアを上げるクレバーな投球を披露した。

もう1人は森木大智投手(高知高)。中学校時代に球速の出にくい軟式ボールで150キロを記録し、全国大会春夏連覇という“伝説”を引っさげ高校野球入り。高知では明徳義塾の厚い壁に阻まれ甲子園の土こそ踏めなかったが、最速154キロの速球とカーブ系の変化球を織り交ぜるピッチングに、プロからは熱い目線が注がれている。

■1位候補と「因縁」ある選手たち

上にあげた「1位候補」と因縁のある選手も上位指名濃厚だ。松川虎生(こう)捕手(市和歌山高)は、中学・貝塚ヤング時代から小園投手とバッテリーを組んできた。強肩に加え、右打席から広角に長打を放てる打撃も特色だ。

隅田知一郎投手が大立ち回りを演じた上武大学戦。実はこの試合、0対1で隅田投手率いる西日本工業大学が敗れている。試合を決めるホームランを放ったのが上武大のブライト健太外野手。3年時までほとんど実績がなかったが、隅田投手から放ったホームランを含め4年春に急成長。右の長距離砲が欲しいチームは1位指名をするかもしれない。

■豊富な左投手

絶対数が少ないことから、プロ野球でも希少なのが左投手だ。今年のドラフト戦線はその左の候補が多く揃ったことが最大の特徴といっても良い。

高校生では、木村大成投手(北海)。打者の手元で急激に変化するスライダーを武器とするが、夏の甲子園では150キロに迫る速球で攻め込むシーンも見られ、本格派の風格が漂う。二松学舎大付の秋山正雲投手はスピンの効いた浮き上がるような速球が最大の特徴。夏の都大会決勝では、ドラフト候補の150キロオーバー右腕・市川祐(たすく)投手擁する関東一高を相手に6回までノーヒットノーランの快投。最終的に1失点完投というピッチングだった。

大阪桐蔭のエース・松浦慶斗投手も注目のサウスポー。長身から投じる150キロの速球が武器だが、夏の甲子園では低めに集める140キロ前後とスライダーのコンビネーションという技巧派の一面ものぞかせた。

大学生は佐藤隼輔投手(筑波大)。2年生で大学日本代表に選出され、日米大学野球では、アメリカの若きホープを相手にストレートとスライダーで真っ向勝負。しかし大学4年生の9月、ドラフトを目前に控えた試合で最速152キロを記録したものの途中降板。アクシデントとみられ、プロがどう判断するか注目される。

山下輝(ひかる)投手(法政大)もいる。木更津総合高時代から注目の投手で、188センチ・100キロという恵まれた体格から、打者の懐めがけて威力あるボールを投げ下ろす。ドロンと落ちる変化球も得意で奪三振能力に秀でる。

他にも実戦派・桐敷拓馬投手(新潟医療福祉大)や、全日本大学選手権の初戦で7回1失点と好投した黒原拓未投手(関西学院大)の評価も高い。

社会人ではJR東日本の山田龍聖投手の上位指名に期待。富山・高岡商業時代に夏の甲子園に出場すると、根尾昂選手(現中日)や藤原恭大外野手(現ロッテ)を擁し“最強世代”の呼び声高い大阪桐蔭に挑み、敗れはしたものの11奪三振で3失点完投。社会人では、変わらぬ魅力の速球にチェンジアップを組み合わせている。

独立リーグには熊本・火の国サラマンダーズに石森大誠投手がいる。大学時代もドラフト候補と目されたが、プロには進めず。独立の世界で最速155キロの速球を誇る、ロマン満点のピッチャーに変貌を遂げた。独立からの上位指名だって全く夢物語ではない。

ここまで、全員左腕なのだ。それも全候補を紹介しきれたわけではない。いかに2021年のドラフトが特徴的なのかがお分かりいただけたはずだ。

■野手だって通好み

野手も通好みな選手が目白押しだ。他球団が豊富な投手に行く中で、野手補強を画策する球団もありそうだ。

高校では有薗直輝選手(千葉学芸)は高校通算70本塁打のスラッガー。守備はサードを守り、強肩でも知られる。吉野創士外野手(昌平)は通算56発。一般的な「スラッガー」のイメージと比べるとやや痩身に見えなくもないが、バットにうまくボールを乗せて運ぶタイプ。外野守備にも定評があり、外野の若返りを図りたいチームにぴったりだ。

大学生では慶応義塾大の4番・正木智也外野手。通算10本塁打の右の長距離砲で、神宮球場のバックスクリーンに打球を運ぶなど力強さと技術を兼ね備えている。正木外野手ならではの雄大な放物線はプロでも見ものだ。

愛知大学野球連盟・2部リーグに注目株が潜んでいる。愛知大の安田悠馬捕手だ。筋骨隆々とした左打者で、10月3日の至学館大戦では2本塁打。センターや逆方向にも飛ばせる希少な長距離砲だ。

他にも、駒澤大学の主砲・鵜飼航丞(うかい・こうすけ)外野手は中京大中京高時代から注目のスラッガー。182センチ・100キロの体躯を存分に活かした豪快な振りが特徴だ。神奈川大学・梶原昂希外野手はアマ野球ファンからソフトバンク・柳田悠岐外野手二世との呼び声高い。 JR四国のショート・水野達稀選手は攻撃型の内野手だ。

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Source: ハフィントンポスト
ドラフト会議2021の注目選手は?左腕投手が「スーパー大豊作」で通好み【厳選23人】

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