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池袋暴走事故、被告に「『自分の過失』と言ってほしかった」 “最後“の遺族会見、安堵とやりきれなさ

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松永拓也さん(右)と上原義教さん(左)

東京・池袋で2019年に母子2人が死亡した暴走事故の裁判で、車を運転していた飯塚幸三被告(90)が控訴せず、禁錮5年の実刑判決が確定した。

刑事裁判が終わったことを受けて、亡くなった松永真菜さんの夫・拓也さんと父・上原義教さんが9月17日、最後の記者会見を開いた。

松永拓也さんはまず、「長かった裁判が終わり、安堵の気持ちと正直複雑な心境です」と吐露。被告が控訴しなかったことについて「何よりも聞きたいのは、飯塚氏が過失を認めた上での断念なのかということ」と首を傾げた。

飯塚被告は裁判で、アクセルとブレーキの踏み間違えを否定し、車の不備を訴え無罪を主張していた。判決後も、被告側から謝罪や連絡はないという。

「私はずっと、『自分自身の過失だと思う』という一言を言ってほしかった。その一言で私たち遺族がどれほど救いになったか。それが聞けなかったのが非常に残念です」

「自分の過失を認めない上で、でも刑務所に入りますということになると、それは贖罪なのかなと思ってしまう」

「今後刑務所で過ごす5年間で、自分に過失があったと素直に思える日がくるのであれば、飯塚氏にとって本当の贖罪の始まりなのでないかと思います」

やりきれなさを滲ませながら、自身を納得させようとしていた。

本質的に大事なこと何か

この事故をめぐって、被告に対して世間からの激しい誹謗中傷が起きた。

松永さんは、被告の言動から非難は免れない側面はあっても「加害者を誹謗中傷することや、上級国民(という批判)、逮捕されなかったことは、本質的に大事なことではない」と訴えた。

被告に対する激しい誹謗中傷は、減刑の理由にも挙げられている。

検察が自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪の法廷刑の上限にあたる禁錮7年を求刑したのに対して、判決は禁錮5年に減刑。裁判所は量刑理由について「過度の社会的制裁が加えられている点は、被告人が受けた不利益として被告人に有利に考慮すべき事情の一つといえる」と説明していた。

松永さんはこの点について「健全な議論を超えた脅迫行為は決して望んでいない。それが減刑理由になるのも分かっていた。実際、過度な社会的制裁を理由に減刑になってしまったことは、非常に悲しい」と悔やんだ。

「2人の愛してくれた私らしく生きていける」

松永さんは17日昼ごろ、刑が確定したことを検察から電話で知らされたという。真菜さんと莉子さんの仏壇に手を合わせて、「終わったよ」と報告した。

会見で「2人に出会えて本当に幸せでした。たくさんの愛を教えてもらって、たくさんの愛をくれました。心から愛していると伝えたいです」と2人への思いを告白。

「裁判が終わった今、やっと争いではなく、2人の愛してくれた私らしく生きていける。これからは2人が愛してくれた僕に戻って生きていきたい」と語った。

松永拓也さん

「せめて直接言って欲しかった」

上原さんも、裁判が終わったことについて「嬉しい気持ちはこれっぽちもありません。ただ少しだけ前を向けるだけ」と心境を吐露。

真菜さんと莉子さんとの思い出を振り返り「最後にテレビ電話で話した姿が全然離れなくて、また一緒に遊びたかった」と声を詰まらせた。

控訴しなかったとしても、飯塚被告に対するやりきれない思いは消えない。

「彼が本当に自分の過ちに気づいて、『自分が悪かったです。娘さんの命と孫の命を奪ってごめんなさい』と言ってくれていれば、悔しい気持ちはあっても、大きな心の傷にもならなかったかもしれない」

飯塚被告は、関係者に対して「罪を償いたい」「刑の執行停止を求めない」と話したと報じられているが、遺族側への直接の謝罪や連絡はない。

 「人づてに聞いた『ごめんなさい』(という気持ち)を信じたいですけど、裁判の飯塚さんの態度を見ていると、なかなか信じられません。だからこそ、直接せめて言って欲しかった」

松永さんと上原さんは、気持ちの整理がつかないまま、約1年にわたる刑事裁判を終えた。

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Source: ハフィントンポスト
池袋暴走事故、被告に「『自分の過失』と言ってほしかった」 “最後“の遺族会見、安堵とやりきれなさ

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