台風14号が9月17日午後、九州・西日本に上陸する見込みとなっている。
気象庁の17日の発表によると、西日本から北日本の広い範囲で、18日にかけて大雨となるところがあるという。
気象庁は「土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください」と呼びかけている。
台風は九州から近畿、関東の南へ横断する進路で東に進む見通し。西日本は17日から18日かけて、東日本は18日に、それぞれ非常に強い風や激しい雨に見舞われると予想されている。
台風の接近で、危険から身を守るためにどんな準備をしておいたらいいのか。気象庁や日本気象協会、認定NPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク」(JVOAD)などの情報を基に、知っておきたい10のポイントをまとめた。
1.家の「外」の危険をチェック
・側溝や排水口を掃除して、水はけを良くしておく。ゴミが詰まっていると、水が溢れてしまう。浸水しそうな場所に土のうを積んでおくことも有効だ
・風で飛ばされそうな物(植木鉢や物干し竿、ハンガーなど)は、飛ばないよう固定したり、家の中にしまったりする
・屋根、塀、壁などの点検、補強をする
・車のガソリンを満タンにしておく。停電時でも、車の中で暖をとることやスマホの充電ができる
2.家の「中」でも注意を
・窓や雨戸はカギをかける。飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼る。網戸や雨戸は必要に応じて養生テープなどで固定・補強する。カーテンは閉めて、ブラインドを下ろしておく。物が飛んできて窓ガラスが割れた際にけがを防げる
・断水に備えて、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する。手洗いやトイレ用に活用できる
・床上の浸水対策をする(例:家財や家電などは浸水被害に備えて高所や2階に移動させる。 漏電を防ぐためコンセントは抜き、低い位置にあるものは高所へ移動させる)
・停電に備えて、スマホとノートパソコンは充電を満タンにしておく
3.飲料水や非常食を備蓄する
▼食料、飲料、生活必需品などの備蓄例
・飲料水3日分(1日あたり1人3リットルが目安)
・非常食3日分の食料(アルファ米、ビスケット、板チョコ、乾パンなど)
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー、マッチやライター、倒れにくいローソク、ロープ、布製の粘着テープ、紙袋、カセットコンロ、固形燃料、トイレを流したりするための生活用水(水道水を入れたポリタンク、風呂の水を張っておくなど)
4.停電で冷蔵庫やエアコンが機能しない場合に備える
台風による停電で、エアコンや冷蔵庫が機能しなくなる恐れがある。冷凍庫で保冷剤を用意しておけば、食料品の保全対策になり、窓を開けられない状況でも涼しく過ごす助けになる。
涼む必要がある時は、首や脇を冷やすと効果的とされる。保冷剤がない場合は、ペットボトルに水を入れて凍らせておくこともOK。氷が溶けたら、飲料水や生活用水としても使える。
5.非常用持ち出しバッグを準備する
非常時に持ち出すべきものをリュックサックに詰め、枕元に置くなどしていつでもすぐに持ち出せるようにしておこう。両手がつかえるので、バッグはリュックサックが好ましい。
▼非常用持ち出しバッグの内容例
飲料水、携帯食料品、貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)、携帯電話、救急用品、お薬手帳、ヘルメット・防災ずきん、マスク、軍手、筆記用具、マッチ・ライター、懐中電灯、電池、ビニール袋、衣類、雨具、下着、タオル、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器、携帯電話の充電用バッテリー、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、洗面用具、携帯トイレ、メガネ・コンタクト、乳児のいる家庭はミルク・紙おむつ・ほ乳びんなど。
6.避難場所や避難経路を確認
自宅や勤務先付近に洪水の恐れのある河川があったり、低地、急傾斜地で水害や土砂災害の恐れがあったりする場合は、事前に防災マップやハザードマップ(災害予測図)を入手し、避難場所、避難経路を事前に確認することが大切だ。自治体によってはネットで公開しているところもある。
避難場所は、豪雨、地震、津波、火山噴火など災害の種類によって安全な避難場所が異なる。国土交通省が提供する全国自治体ハザードマップなどを確認しよう。
災害の発生時、家族は別々の場所にいるかもしれない。そんな時でも互いの安否を確認できるよう、日頃から安否確認の方法や集合場所などを事前に話し合って決めておこう。
7.安否確認の方法を家族で共有
災害時には携帯電話の回線がつながりにくくなり、連絡がとれない場合も。その際には以下のサービスも利用できる。
・災害用伝言ダイヤル
災害用伝言ダイヤル(171)に電話をかけると伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族などが、伝言を再生できる。NTT東日本の公式サイトによると、利用可能な電話は、加入電話、公衆電話、災害時にNTTが避難所などに設置する災害時用公衆電話など(携帯電話・PHSからも利用できるが、詳しくは契約している通信業者に確認を)。録音時間は、1伝言あたり最長で30秒。
・災害用伝言板
携帯キャリア事業者が提供。携帯電話やPHSから登録できるネット伝言板。自分の電話番号を知っている家族などが、情報を閲覧できる。NTTドコモ災害用伝言板、SoftBank災害用伝言板サービス 、au災害用伝言板がある。
災害の影響を受けた地域にいる場合に、Facebookを通じて自分の状況報告や友達の安否を確認することができる。
災害発生後にGoogleが適宜開設する。氏名などを登録することで、互いに安否確認ができる。
8.外出は控える
台風が接近している間は、大雨や暴風の恐れがある。できる限り外へ出ないようにしよう。
・用水路、海岸の見回りは絶対にしない。増水した用水路は道路との境目が分からず、足を取られて流される危険がある。海岸では高潮に飲み込まれる恐れがある。
・屋外での作業は控えよう。暴風や突風にあおられて転倒する危険がある。家屋の補修は接近前に終わらせよう。
9.命を守るため、早めの避難を
市町村から避難勧告や避難指示があったら、すぐに動けるように準備して、すばやく避難しよう。また、避難勧告が出されていなくても、危険を感じたら、自主的に避難しよう。
・扇状地、海岸・河川敷、樹木の少ない山間部、危険な土地にいる場合は早めに避難しよう。
・車での避難には注意。降水量が増えるとワイパーを速くしても視界が見えにくくなり、車輪と路面の間に水膜が生じてブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こる危険がある。
・地下空間(地下道、地下室)は、地上が冠水すると水が流れ込み、避難が困難になる危険があるので注意しよう。
・都心では、遠くの避難場所へ避難するより、隣近所の2階以上の頑丈な建物に避難するほうが安全な場合もある。避難する場合は、周囲の状況なども総合的に判断し、行動するようにしよう。
・避難前には火の元、ガスの元栓、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認しよう。
10.災害時、ネットで情報収集をするには
以下に、災害時に役立つ政府や公共機関が運用する公式Twitterアカウントやサイトを紹介する。
地震、台風、大雨や重大事件など、災害・危機管理関連の政府の活動情報を確認できる。
災害情報や防災・減災に関する情報を確認できる。
大規模災害が発生した際、消防関連情報を確認できる。
災害時、自衛隊の派遣状況などの関連情報を確認できる。
・気象庁
最新の台風情報を確認できる。
気象予報士による解説を確認できる。
自治体から提供を受けた避難所データなどを基にした全国の避難所情報を確認できる。
各地の生活、ライフライン情報を確認できる。
過去24時間の道路通行実績を集計し、被災地における自動車での避難や救援を支援する。
災害時に透析が必要な人向け。透析可能な病院を確認できる。
・Twitterで救助を要請する場合は?
災害発生後は安否確認の通話が殺到して電話がつながりにくくなる場合が多い。そのような場合は、Twitterでの救助要請を考えてほしい。以下のフォーマットに沿って救助要請をしよう。
Twitterで緊急救助を求める場合には、#救助 ハッシュタグとともに要請内容、写真、住所または位置情報など、具体的かつ正確な情報をつけましょう。救助が完了したら、報告ツイートするとともに、救助要請ツイートを削除してください。 pic.twitter.com/aHu7WicSpm
— Twitterライフライン (@TwitterLifeline) July 10, 2018
Source: ハフィントンポスト
【台風14号】大雨や暴風から身を守るために、備えておきたい10のこと