中国のIT大手・アリババで、女性社員が性的暴行を受けたと内部告発した。社員の訴えによると、出張で取引先に大量の酒を飲まされ酩酊した後、男性上司らに暴行を受けたという。
女性はこの被害を社内で訴え出たが、取り合ってくれなかったため、食堂にビラを撒く形で告発。アリババのダニエル・チャン(張勇)CEOは、性的暴行に及んだとされる上司を永久追放すると発表した。
■接待の席で酒飲まされ酩酊…告発の内容
中国メディアに掲載されている女性の訴えによると、この女性は7月下旬、上司とともに山東省済南市への出張を命じられた。取引先との会食で、大量の酒を飲まされ酩酊し、意識が朦朧としたところ、この取引先に体を触られるなどのわいせつな行為をされた。この上司はそれを見ていながら止めなかったという。
翌朝、女性が宿泊先で目を醒ましたところ衣服を身につけておらず、性的暴行を受けたとみられる痕跡があり、上司を問い詰めたが明確な答えはなかった。そこで監視カメラを調べたところ、上司が4度にわたり女性の部屋に入っていたことがわかったという。
女性は警察に通報。上司は調べに対し「女性を心配してのことだった」などと話したという。
女性はその後、性的暴行を受けたと社内通報したが、「あなたの名誉のため」大ごとにしないと返答があったという。7日に社員食堂で被害を告発するビラを配布。これがネットに流れるなどして話題になった。8日朝になりようやく、アリババ側が上司を停職処分とし警察の捜査に協力していると発表した。
同時に、地元の公安当局も捜査に着手していることを発表した。
■捜査の結果前に「永久追放」
アリババのダニエル・チャン(張勇)CEOは8月9日、内部調査の結果を社内向けに公表。その内容を中国メディアが報道している。それによると、上司が女性社員に対し「過度に親密な行為」をしたと認めたため、社から永久追放処分とした。この行為が強姦、もしくはわいせつ行為にあたるかどうかは警察の捜査を待つ。
また、シティ・リテールグループのトップと人事責任者についても「被害女性の心情に寄り添わず、すぐに断固とした行動に出なかった。社内チャットも既読のまま返信していなかった」などと認定し、引責辞任とした。
また同時に、セクハラなどを含めたハラスメント事案が他にないか調査を実施するほか「醜い飲酒強要文化に旗色鮮明に反対する」などとした。
Source: ハフィントンポスト
「上司が性的暴行」と女性社員の告発受け、アリババは上司を「永久追放」と発表