ポーランドへ亡命した東京五輪の陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が、空港で助けを求めた際に使ったのは、スマホの翻訳アプリだった。
CNNなどによると、ツィマノウスカヤ選手は、代表チームのコーチ陣の不手際を批判する内容をインスタグラムに投稿。その内容がベラルーシメディアに取り上げられた8月1日に、代表団はツィマノウスカヤ選手の精神状態などを理由に、選手の意に反して急きょ、競技日程を切り上げて帰国させようとしたという。
ANNによると、ツィマノウスカヤ選手は同日、ベラルーシ代表団の関係者らに付き添われて行った羽田空港で、帰国便への搭乗を拒否。
Wi-Fiをつなぎ「強制的に出国させられる」と助けを求める文章を翻訳アプリで日本語に翻訳し、空港内にいた警察官に見せた。居合わせた東京五輪の大会スタッフも手伝ったという。
同行した代表団関係者から、「なぜ(警察官に)話しかけた」と問われたツィマノウスカヤ選手は、「選手村で荷物を失った」と答えたが、「うそだ」と言われたという。
ツィマノウスカヤ選手は、祖国に戻れば強権体制を続けるルカシェンコ政権の弾圧に遭うと訴えた。
その後、ベラルーシの隣国ポーランドが亡命を受け入れて人道ビザを発給。
8月4日に成田空港から出国し、同日ポーランドのワルシャワに到着した。
ロイター通信によると、5日にワルシャワで会見したツィマノウスカヤ選手は「今はほっとして、安全だと感じているし、多くの人が助けてくれる」と話し、今後はベラルーシを出国して合流した夫とともにポーランドでスポーツ選手としてのキャリアを積みたいと語った。
また、ツィマノウスカヤ選手の一件をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)は8月6日、ベラルーシ代表団コーチ2人の認証を5日に取り消し、選手村から退去させたことを明らかにした。
Source: ハフィントンポスト
亡命のベラルーシ選手、空港の警察官に翻訳アプリで助けを求めていた